こんにちは、コエバコ管理人の伊織です。
今回は演技派のあなたにぜひ挑戦してほしい、1人用の長編台本をお届けします。
テーマは「行き過ぎた愛情と狂気」。深夜の留守番電話というクローズドな状況で最初は弱々しかった感情が徐々に崩壊し、最後は背筋が凍るようなホラーへと変貌するサイコスリラーです。
泣き叫ぶ演技や感情のジェットコースターを表現したい方、圧倒的な一人芝居でリスナーを惹きつけたい方にぴったりの読み練習用台本です。
ぜひ、あなたの限界の感情をぶつけてみてください!
作品情報
- 人数:1人(性別不問)
- 時間:約8〜10分
- ジャンル:ホラー・ミステリー(サイコスリラー)
- あらすじ:深夜3時、別れた恋人へ一方的に残した留守番電話。すがりつくような未練は次第に激しい怒りと哀しみへと変わり、やがて予想外の結末を迎える。
登場人物
- 【主人公】:性別不問。相手のことが好きすぎるあまり、精神のバランスを崩している。一人称は「私」、二人称は「君」。感情の起伏が異常なほど激しい。
本編
(深夜。静寂の中、スマートフォンの発信音が鳴り響く)
『プルルルル……プルルルル……』
『おかけになった電話は、電波の届かない場所にあるか、電源が入っていないため……ピーッ』
【主人公】
「……もしもし。夜分遅くにごめんね。……寝てるよね。わかってる。わかってるんだけど、どうしても、君の声が聞きたくてかけちゃった。
……出ないよね。もう、着信拒否されてるのかなって思ってたから、呼び出し音が鳴るだけで、少し嬉しかったよ。
今、何してるの? 新しい恋人と一緒にいるのかな。それとも、一人でぐっすり眠ってるのかな。
私はね……全然眠れないの。目を閉じると、君の顔ばかり浮かんじゃって。
ねえ、覚えてる? 去年の今頃、二人で旅行に行ったよね。あの時、ホテルのベランダで、朝までずっと手を繋いで話したじゃない。
『これからも、ずっと一緒にいようね』って、君、言ってくれたよね。私、あの言葉、今でもお守りみたいに大切にしてるんだよ。
……あの頃は、本当に幸せだったな。私、君のためなら何でもできるって本気で思ってた。君が笑ってくれるだけで、それでよかったのに……。
(間)
……ねえ、私、何か悪いことしたかな。直すから。君が嫌がることは、もう絶対にしないから。
重いって言われたこと、気をつけてるよ? 連絡も、1日1回に我慢してる。だから……だから、もう一度だけ、チャンスをくれないかな。ねえ、お願い……」
(沈黙。相手からの返答はもちろんない。少しずつ声のトーンが低くなる)
【主人公】
「……なんで、なんにも言ってくれないの?
別れる時だってそうだったよね。いきなり『もう無理だ』って、それだけ。私の気持ちなんて、少しも考えてくれなかった。話し合いすらしてくれなかったじゃない。
私、友達との約束も全部断って、趣味もやめて、君の都合に合わせて生きてきたんだよ? 君がそうしてって言ったわけじゃないかもしれないけど……でも、私が尽くすの、嬉しそうにしてたじゃない!
それなのに、急に重いとか、疲れたとか……勝手すぎるよ。
(呼吸が徐々に荒くなる。早口に)
私が今、どんな思いで生きてるか知ってる?
夜も眠れなくて、ご飯も喉を通らなくて、毎日、毎日……吐くくらい泣いてるのに!
君は普通に仕事に行って、友達と笑い合って、私のことなんか忘れて新しい生活を楽しんでるんでしょ?
ずるい……ずるいよ。そんなの不公平だよ!
私がこんなにボロボロになったのは、全部君のせいなんだよ!? 私からすべてを奪っておいて、自分だけ幸せになろうなんて、絶対に許さない。
あの時の『ずっと一緒』っていう約束は、全部嘘だったの!? ねえ、答えてよ!! 聞いてるんでしょ!!?」
(数秒の沈黙。怒りが頂点に達し、声が震え始める)
【主人公】
「……あはは……そっか。もう私のことなんて、本当にどうでもいいんだね。完全に、邪魔なんだ。
……わかった。じゃあ、もういいよ。死んでやる。
今から死んでやる! 今すぐ、ここで手首切ってやる! 動脈、思いっきり深く切って、部屋中真っ赤に染めてやるから!
遺書にはね、『君に殺されました』って大きく書いて、ドアの裏に貼り付けておくね。警察が来たら、君のところに連絡が行くはずだから。
一生後悔しろ! 私の死顔が一生脳裏に焼き付いて、呪われればいい! 誰と付き合っても、私の血の匂いが邪魔すればいいんだ!! 君の人生も、メチャクチャにしてやるから!!
(泣き叫ぶ。声が裏返るほどの慟哭)
ああああああああっ!! 嫌だ、嫌だぁっ!!
どうして……どうして私ばっかりこんな目に遭わなきゃいけないの!?
ひっ……うぅ……っ……好きだったのに……誰よりも、愛してたのに……っ!」
(激しい嗚咽。呼吸が乱れ、ヒッ、ヒッ、と息を吸う音が響く。
しばらく泣き続けた後――唐突に、ピタリと泣き声が止まる。
不自然なほどの沈黙が数秒流れる)
【主人公】
「…………あはっ」
(先ほどまでの取り乱した様子が嘘のように、気味が悪いほど冷静で、優しく甘い声に変わる)
【主人公】
「……ふふっ。なんてね。
ごめんなさい、嘘だよ。びっくりした? 泣き叫んだりして、困らせてごめんね。
私、バカだなぁ。死ぬなんて、そんなもったいないこと、するわけないじゃない。
君のいない世界で死ぬなんて、絶対に嫌だもん。
それにね、気付いたの。電話越しだと、やっぱり私の気持ち、半分も伝わらないなって。
だから……直接会って、ちゃんと目を見て話そうと思って。
……え? どういうことかって?
ふふっ。あのね、私、今すごく幸せ。だって、やっと、君と一つになれるんだもん。
もう、誰も私たちの邪魔はできないよ。絶対に、二度と離れないから」
(背景に、夜の静寂と、微かな風の音が混じる)
【主人公】
「ねえ。携帯、耳に当てたままにしてね。
今から、君の家のドアの音、聞かせてあげる」
(ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン!!
異常な速さで、連続してドアチャイムが鳴り響く音)
【主人公】
「(極めて至近距離の囁き声で)
……ねえ。そこにいるんでしょ?
……開けて?」
管理人のワンポイントアドバイス
この台本は10分間という長丁場を一人で持たせるための「感情のコントロールと爆発」がカギになります!
留守電という設定なので、リスナーを「電話を受けている元恋人」の気分にさせることが重要です。
【主人公】役の方へ
- 【起】の部分(0〜2分)最初はとにかく静かに、弱々しく。
未練たっぷりで、「自分がいかに可哀想か」をアピールするような、少し同情を引くようなトーンで入りましょう。 - 【承】の部分(3〜6分)無言の相手に対する苛立ちから、徐々にスピードアップします。
「君のせいだ」と責める言葉には、ドロドロとした恨みを込めて。呼
吸をあえて荒くしていくと、感情が高ぶっている様子がリアルに伝わります。 - 【転】の部分(7〜8分): ここが一番のエネルギーの使いどころです!
喉が枯れるくらい、なりふり構わず泣き叫んでください。綺麗に泣く必要はありません。
鼻水をすする音や息継ぎの乱れなど、生々しい「慟哭」を表現しましょう。
★ここがポイント!
最大のクライマックスは終盤の「泣き声から、突然の冷静な笑いへの切り替え」です!
激しく泣き叫んでいた状態から一瞬の「無音(間)」を作り、そこから発せられる「……あはっ」という笑い。
ここには狂気と底知れぬ恐怖を込めてください。
最後のセリフ「……開けて?」はマイクに極限まで近づいて、リスナーの耳元に直接息を吹きかけるようなウィスパーボイスで締めくくると、鳥肌モノのホラーエンドになりますよ!
利用規約
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