【2人用声劇台本】最期の夜明け。幽霊の君と「さよなら」を言う僕【シリアス・感動・死別】

こんにちは、コエバコ管理人の伊織です。
今回は、「死別と旅立ち」をテーマにした、涙必至のシリアス声劇台本です。
残された者の「後悔」と、逝く者の「優しさ」。夜明け前の公園で交わされる、最初で最後の「さよなら」を描きました。
感情を揺さぶる演技に挑戦したいペアに、心からおすすめします。

目次

作品情報

  • 人数:2人(性別不問・改変可)
  • 時間:約5〜6分
  • ジャンル:シリアス・ドラマ、感動、死別
  • あらすじ:夜明け前の公園。亡くなったはずの「君」が目の前に現れる。成仏できずにいた理由は、残された「僕」の悲しみにあった。涙と笑顔の別れの物語。

登場人物

  • 【カイ】:数年前に恋人(または親友)を亡くし、まだ立ち直れていない。後悔を抱えて生きている。
  • 【ユウ】:数年前に亡くなった幽霊。カイのことが心配で成仏できずにいた。明るく振る舞うが、時間は残り少ない。

本編

(BGM:静かで寂しげなピアノ曲。環境音として虫の声や風の音が微かにあるとなお良い)

【カイ】
(独白)
眠れない夜は、決まってここに来る。
二人でよく話した、この古い公園。
ベンチの塗装は剥げかけていて、自販機の明かりだけが、やけに眩しい。
……もう、三年か。
君がいなくなってから、僕の時計は止まったままだ。

【ユウ】
「相変わらず、辛気臭い顔してんなぁ」

【カイ】
「……え?」

(ト書き:カイ、信じられないものを見るように目を見開く)

【カイ】
「ユウ……? 嘘だろ、だって、お前は……」

【ユウ】
「うん、死んでるね。正真正銘、幽霊です。足もあるけど」

【カイ】
「な、なんで……」

【ユウ】
「なんでって……まあ、お盆の迷子みたいなもん? ちょっと寄り道したくなってさ。隣、座っていい?」

【カイ】
「……ああ」

(ト書き:ユウ、隣に座る。少しの間)

【ユウ】
「懐かしいなぁ、この景色。あの滑り台、まだ直ってないんだ」

【カイ】
「……誰も遊ばないからな、こんな時間じゃ」

【ユウ】
「よく朝まで喋ったよね。テスト勉強サボってさ、将来どうするとか、誰が好きだとか。……あの時の缶コーヒー、不味かったなぁ」

【カイ】
(少し笑って)
「……微糖なのに甘すぎたんだよな、あれ」

【ユウ】
「そうそう! 間違えて『激甘』買ったカイのせいでさ」

【カイ】
「……夢なら、覚めないでほしいな」

【ユウ】
「夢じゃないよ。……でも、長くはいられない」

(ト書き:東の空が少しずつ白み始める。BGMのトーンを少し上げる、または転調)

【ユウ】
「ねえ、カイ。ずっと謝りたかったんだ」

【カイ】
「謝る? 謝るのは僕の方だ。あの日、僕が引き止めていれば……もっと早く気づいてやれていれば……!」

【ユウ】
「違うよ。……僕が謝りたかったのは、君を縛り付けちゃったこと」

【カイ】
「縛り付ける……?」

【ユウ】
「カイがさ、毎晩泣くから。
『会いたい』って、『戻ってきて』って、子供みたいに泣くからさ。
心配で、行けなかったんだよ。あっちに」

【カイ】
「……っ!」

【ユウ】
(優しく)
「僕のせいで、カイの時間を止めちゃってごめんね。
でも、もう限界なんだ。日が昇ったら、行かなくちゃいけない」

(ト書き:ユウの体が少しずつ透け始めるイメージ)

【カイ】
「待ってくれ……行かないでくれよ、ユウ!
やっと会えたのに……言いたいことだって、まだ山ほどあるんだ!」

【ユウ】
「うん、わかってる。全部聞いてたよ。この三年間、ずっと傍にいたから」

【カイ】
(涙声で)
「だったら……だったら尚更離れられないだろ!
お前なしで、これからどうやって生きていけばいいんだよ……!」

(BGM:感情を揺さぶるような盛り上がり)

【ユウ】
「カイ。顔を上げて」

【カイ】
「……いやだ」

【ユウ】
「お願い。最後くらい、笑った顔が見たいな」

【カイ】
(独白・感情を爆発させて)
わかってる。わかってるんだ。
いつまでも甘えてちゃいけないことくらい。
引き止めているのは僕だ。
僕の弱さが、ユウを苦しめているんだ。
だから……言わなきゃいけない。
一番言いたくない、でも、一番言わなきゃいけない言葉を。

【カイ】
(涙を拭い、震える声で)
「……わかった」

【ユウ】
「……うん」

【カイ】
(必死に笑顔を作って)
「大丈夫だ。……もう、大丈夫だから。
お前がいなくても……ちゃんと飯食って、仕事行って、たまには笑って……生きていくから」

【カイ】
「だから……安心して、行けよ」

【ユウ】
(心から安心したように)
「そっか。……うん、その言葉が聞きたかった」

(ト書き:朝日が差し込む)

【ユウ】
「じゃあね、カイ。
僕のこと忘れてもいいけど、たまには思い出してよね。
……大好きだったよ」

【カイ】
「……っ、ああ! 僕もだ。今までも、これからも……ずっと!」

(BGM:スッと音が消える、または静かな余韻へ)

【ユウ】
「バイバイ」

(ト書き:風が吹き抜け、ユウの気配が完全に消える)

【カイ】
「……さよなら、ユウ」

(ト書き:カイ、朝日を眩しそうに見上げる)

【カイ】
(独白)
朝が来る。
君のいない、新しい朝が。
涙はまだ止まらないけれど。
足元の影が、背中を押している気がした。

【カイ】
「……さて、行くか」

(完)


管理人のワンポイントアドバイス

この物語のゴールは、悲しむことではなく「笑顔で送り出すこと」です。

カイ役の方へ: 前半は喪失感を漂わせて暗く。ユウが現れてからは、信じられない気持ちと嬉しさを混ぜてください。最大の見せ場は、後半の「大丈夫だ……もう、大丈夫だから」です。ここでは泣き顔ではなく、必死に作った笑顔を声に乗せてください。「泣くのを我慢して笑う」演技こそが、聴く人の涙腺を崩壊させます。

ユウ役の方へ: 自分が死んでいることを受け入れているので、悲壮感を出さず、あえて「いつも通りの明るいトーン」で演じてください。カイが心配でたまらない、という「母性(父性)」のような優しさをベースにすると、ラストの「大好きだったよ」 がより切なく響きます。

利用規約

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  • 商用利用、改変もOKですが、自作発言はお控えください。

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この記事を書いた人

「コエバコ」管理人の伊織(いおり)です。 声劇が大好きで、みんなが気軽に遊べる台本置き場を作りました。 読みやすくて、演じていて楽しくなるような台本を目指して書いています。 練習用にも、配信の企画にも、自由に使ってくださいね。あなたの声で物語が完成するのを楽しみにしています。

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