こんにちは、コエバコ管理人の伊織です。
いつも素敵な声で物語に命を吹き込んでいただき、ありがとうございます。
今回は、永遠の別れと旅立ちをテーマにしたシリアス声劇台本をお届けします。
残された者の後悔と、逝く者の優しさ。
夜明け前の公園で交わされる、最初で最後のさよならを描きました。
この台本を通じて、感情を揺さぶる表現力を深めるきっかけになれば嬉しいです。
この台本は、こんなペアや配信者さんにおすすめです。
2人用声劇台本「最期の夜明け」の作品情報・あらすじ
- 人数:2人(性別不問・改変可)
- 時間:約5〜6分
- ジャンル:シリアス・ドラマ、感動、永遠の別れ
- あらすじと世界観の背景:舞台はどこにでもある古びた公園。深夜から夜明けにかけての静かで少し肌寒い時間帯です。数年前、突然の別れによって二人の時間は止まってしまいました。亡くなったはずのユウがカイの前に現れたのは、カイが抱え続ける深い悲しみと後悔がユウをこの世界に留めていたからです。朝が来れば、ユウは本当に消えてしまう。限られた時間の中で、二人がお互いを想い合いながら決別を選ぶ、涙と笑顔の物語です。
登場人物(幽霊のユウ・残されたカイ)
- 【カイ】:数年前に大切な人(恋人、親友など)であるユウを亡くし、今も立ち直れていない人物です。あの時、自分が何かできていればという強い後悔を抱え、眠れない夜は二人の思い出の場所である公園を訪れています。ユウに対する執着が強い一方で、ユウを苦しめているのが自分であることに気づき、別れを告げる葛藤を抱えています。
- 【ユウ】:数年前に亡くなった幽霊。自分が亡くなったことは受け入れていますが、残されたカイが毎晩泣いているのを見て、心配のあまり成仏できずに傍に居続けていました。カイを安心させるため、あえて生前と変わらない明るい態度で接します。タイムリミットが迫る中、カイに前を向いて生きてほしいと強く願っています。
2人声劇本編:最期の夜明け。幽霊の君と「さよなら」を言う僕
(BGM:静かで寂しげなピアノ曲。環境音として虫の声や風の音が微かにあるとなお良い)
【カイ】
(独白)
眠れない夜は、決まってここに来る。
二人でよく話した、この古い公園。
ベンチの塗装は剥げかけていて、自販機の明かりだけが、やけに眩しい。
……もう、三年か。
君がいなくなってから、僕の時計は止まったままだ。
【ユウ】
「相変わらず、辛気臭い顔してんなぁ」
【カイ】
「……え?」
(ト書き:カイ、信じられないものを見るように目を見開く)
【カイ】
「ユウ……? 嘘だろ、だって、お前は……」
【ユウ】
「うん、もうこの世にはいないね。正真正銘、幽霊です。足もあるけど」
【カイ】
「な、なんで……」
【ユウ】
「なんでって……まあ、お盆の迷子みたいなもん? ちょっと寄り道したくなってさ。隣、座っていい?」
【カイ】
「……ああ」
(ト書き:ユウ、隣に座る。少しの間)
【ユウ】
「懐かしいなぁ、この景色。あの滑り台、まだ直ってないんだ」
【カイ】
「……誰も遊ばないからな、こんな時間じゃ」
【ユウ】
「よく朝まで喋ったよね。テスト勉強サボってさ、将来どうするとか、誰が好きだとか。……あの時の缶コーヒー、不味かったなぁ」
【カイ】
(少し笑って)
「……微糖なのに甘すぎたんだよな、あれ」
【ユウ】
「そうそう! 間違えて『激甘』買ったカイのせいでさ」
【カイ】
「……夢なら、覚めないでほしいな」
【ユウ】
「夢じゃないよ。……でも、長くはいられない」
(ト書き:東の空が少しずつ白み始める。BGMのトーンを少し上げる、または転調)
【ユウ】
「ねえ、カイ。ずっと謝りたかったんだ」
【カイ】
「謝る? 謝るのは僕の方だ。あの日、僕が引き止めていれば……もっと早く気づいてやれていれば……!」
【ユウ】
「違うよ。……僕が謝りたかったのは、君を縛り付けちゃったこと」
【カイ】
「縛り付ける……?」
【ユウ】
「カイがさ、毎晩泣くから。
『会いたい』って、『戻ってきて』って、子供みたいに泣くからさ。
心配で、行けなかったんだよ。あっちに」
【カイ】
「……っ!」
【ユウ】
(優しく)
「僕のせいで、カイの時間を止めちゃってごめんね。
でも、もう限界なんだ。日が昇ったら、行かなくちゃいけない」
(ト書き:ユウの体が少しずつ透け始めるイメージ)
【カイ】
「待ってくれ……行かないでくれよ、ユウ!
やっと会えたのに……言いたいことだって、まだ山ほどあるんだ!」
【ユウ】
「うん、わかってる。全部聞いてたよ。この三年間、ずっと傍にいたから」
【カイ】
(涙声で)
「だったら……だったら尚更離れられないだろ!
お前なしで、これからどうやって生きていけばいいんだよ……!」
(BGM:感情を揺さぶるような盛り上がり)
【ユウ】
「カイ。顔を上げて」
【カイ】
「……いやだ」
【ユウ】
「お願い。最後くらい、笑った顔が見たいな」
【カイ】
(独白・感情を爆発させて)
わかってる。わかってるんだ。
いつまでも甘えてちゃいけないことくらい。
引き止めているのは僕だ。
僕の弱さが、ユウを苦しめているんだ。
だから……言わなきゃいけない。
一番言いたくない、でも、一番言わなきゃいけない言葉を。
【カイ】
(涙を拭い、震える声で)
「……わかった」
【ユウ】
「……うん」
【カイ】
(懸命に笑顔を作って)
「大丈夫だ。……もう、大丈夫だから。
お前がいなくても……ちゃんと飯食って、仕事行って、たまには笑って……生きていくから」
【カイ】
「だから……安心して、行けよ」
【ユウ】
(心から安心したように)
「そっか。……うん、その言葉が聞きたかった」
(ト書き:朝日が差し込む)
【ユウ】
「じゃあね、カイ。
僕のこと忘れてもいいけど、たまには思い出してよね。
……大好きだったよ」
【カイ】
「……っ、ああ! 僕もだ。今までも、これからも……ずっと!」
(BGM:スッと音が消える、または静かな余韻へ)
【ユウ】
「バイバイ」
(ト書き:風が吹き抜け、ユウの気配が完全に消える)
【カイ】
「……さよなら、ユウ」
(ト書き:カイ、朝日を眩しそうに見上げる)
【カイ】
(独白)
朝が来る。
君のいない、新しい朝が。
涙はまだ止まらないけれど。
足元の影が、背中を押している気がした。
【カイ】
「……さて、行くか」
(完)
聴く人を感動へ導くきっかけになる!演技のワンポイントアドバイス
この物語のゴールは、悲しむことではなく「笑顔で送り出すこと」です。
カイ役の方へ: 前半は喪失感を漂わせて暗く。ユウが現れてからは、信じられない気持ちと嬉しさを混ぜてください。最大の見せ場は、後半の「大丈夫だ……もう、大丈夫だから」です。ここでは泣き顔ではなく、懸命に作った笑顔を声に乗せてください。「泣くのを我慢して笑う」演技こそが、聴く人の涙腺を崩壊させます。
ユウ役の方へ: 自分が亡くなったことを受け入れているので、悲壮感を出さず、あえて「いつも通りの明るいトーン」で演じてください。カイが心配でたまらない、という「母性(父性)」のような優しさをベースにすると、ラストの「大好きだったよ」 がより切なく響きます。
この台本を録音する際のおすすめ機材
声劇の録音や音声配信において、少し機材を整えることはリスナーさんの物語への没入感を高める良い方向へ向かうきっかけになります。
今回はAmazonでも非常に人気が高く、宅録初心者から中級者まで長く愛用できる定番のアイテムを2つ厳選してご紹介しますね。
オーディオテクニカ AT2020USB-X(USBコンデンサーマイク)
パソコンにUSBケーブルを1本挿すだけで、すぐに本格的な録音が始められる大人気のコンデンサーマイクです。
おすすめポイント
- 複雑な機器の設定が不要なので、機械が少し苦手な方でもスムーズに使い始めることができます。
- マイク本体にタッチ式のミュートボタンや音量調整ダイヤルがあり、手元で直感的に操作できるのがとても便利です。
- 声の輪郭をクリアに拾ってくれるため、今回のようなシリアスな台本での細かな息遣いや、涙ぐむ演技のニュアンスまで、しっかりとリスナーさんに届く可能性が高まります。
ソニー MDR-7506(密閉型モニターヘッドホン)
通称「青帯」と呼ばれ、世界中のプロの現場で長年愛用され続けている名作のモニターヘッドホンです。
おすすめポイント
- 自分の声やBGMを味付けのないフラットな音質で正確に聴き取れるため、録音時のちょっとしたノイズの発見や、演技の繊細なバランス確認に役立ちます。
- 長時間つけていても耳が負担を感じにくい設計で、コンパクトに折りたためるため収納場所にも困りません。
- 1万円台という手頃な価格でプロレベルの音響を体感できるため、非常にコストパフォーマンスが高く、初めてのモニターヘッドホンとしておすすめできます。
YouTubeやSpoon等での配信利用規約(フリー台本)
- この台本は、YouTube、配信アプリ(Spoon/IRIAM等)、音声投稿サイト等で無料でご自由にお使いいただけます。
- 使用時のご連絡は不要ですが、概要欄などに「サイト名:コエバコ」と記載していただけると嬉しいです。
- 商用利用、改変もOKですが、自作発言はお控えください。
▼ 心を揺さぶる物語を演じたい方はこちら

管理人のあとがき:この台本に込めた想い
大切な誰かとの突然の別れを経験したとき、私たちはどうしても「あの時ああしていれば」という深い後悔を抱えてしまいます。
私自身も過去に、喪失感から長く立ち直れず、自分の時計の針が止まってしまったように感じた時期がありました。
眠れない夜を過ごす中で、ふと「もし今あの子が幽霊になって目の前に現れたら、私は何を伝えて、向こうは私に何て言うだろう」と考えたことがあります。
その時、きっと相手は私が泣いていることよりも、自分のせいで私が前に進めずにいることを一番悲しむのではないかと気づきました。
残された側の「まだ一緒にいたい」という強い執着と、旅立つ側の「笑って生きてほしい」という深い優しさ。
この二つの感情がぶつかり合い、最後はお互いのために決別を選ぶ瞬間を描きたくて、この『最期の夜明け』という台本を執筆しました。
声劇を通じてこの物語を演じてくださる皆さんも、これまでの人生で経験した「別れ」や「言えなかった言葉」の記憶を、少しだけカイやユウの心に重ねてみてください。
正解のない感情の揺れ動きをそのまま声に乗せることで、リスナーさんの心に深く響く、皆さんの枠ならではの特別な夜明けが訪れるはずです。


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