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【2人用BL/長編・約10分】鳥籠の王と、忠実なる裏切り者。「貴方が堕ちるのを、ずっと待っていました」【主従関係/執着/シリアス】

こんにちは、コエバコ管理人の伊織です。
今回は、ついにコエバコでも要望が殺到していた「長編のBL台本」をお届けします!
テーマはズバリ「主従逆転×クソデカ感情」。心身ともに追い詰められていく高慢な主人と、彼を優しく甘やかしながら完全に支配しようとする執事の、濃密で仄暗い心理戦です。
約10分という長めの尺を活かして、前半の穏やかな信頼関係から、後半のゾッとするような狂気へと変わっていくグラデーションをじっくり楽しんでくださいね。
低音ボイスや耳元での囁き(ASMR的表現)が得意な方にも全力でおすすめしたい作品です!

目次

作品情報

  • 人数:2人(男性)
  • 時間:約10分
  • ジャンル:シリアス・ドラマ、BL
  • あらすじ:没落の一途を辿る名家の当主・リシャールと、彼に仕える執事のノア。周囲から孤立し追い詰められるリシャールをノアは優しく慰めるが、その裏には恐るべき執着が隠されていた。

登場人物

  • 【リシャール】:名家の若き当主。プライドが高く気丈に振る舞っているが、家門の没落と周囲の裏切りによって精神的に限界を迎えている。ノアだけが心の拠り所。
  • 【ノア】:リシャールに仕える有能な執事。孤児だったところをリシャールに拾われた。物腰は柔らかく常に敬語だが、リシャールに対して異常なまでの独占欲と執着を抱えている。

本編

(ト書き:書斎。書類を床に叩きつける音や、グラスが割れる音)

【リシャール】
「くそっ……! まただ、また融資を断られた! どいつもこいつもうちが危ないと知った途端に掌を返しやがって。叔父上まで私を見捨てる気か……!」

【ノア】
「……お怪我はありませんか、リシャール様。足元に破片が散っております。危ないので、どうかそのまま動かないでください」

【リシャール】
「ノア……。すまない、また癇癪を起こした。私は……当主として、こんなところで取り乱している場合ではないのに……っ」

【ノア】
「謝らないでください。貴方は十分に耐えておられます。連日、冷たい大人たちに囲まれ、一人でこの家を背負って戦っていらっしゃるのですから。……少し、お疲れなのです」

(ト書き:ノア、手早く床の破片を片付け、温かい紅茶を淹れてリシャールのデスクに置く)

【ノア】
「温かい紅茶を淹れました。貴方のお好きな、少し甘めのミルクティーです。さあ、一度ソファにお掛けになって」

【リシャール】
「……ありがとう。お前が淹れてくれる紅茶は、いつも私が一番落ち着く温度だ」

【ノア】
「当然です。私は貴方の執事ですから。……お顔色が優れませんね。少し、肩を揉ませていただいても?」

【リシャール】
「あぁ、頼む……。あいつらは私が若いのをいいことに、泥舟から逃げ出すように去っていく。かつては父上に媚びへつらっていたくせに。……私にはもう、誰も残っていない」

【ノア】
「そんなことはありません。私がおります。このノアだけは、決して貴方を見捨てたりいたしませんよ」

【リシャール】
「お前だけだよ、ノア。こんな泥塗れの私を『様』と呼んで、傍にいてくれるのは。……お前は優秀だ。他所の家に行けば、もっと良い待遇で雇ってもらえる。なのに、なぜこんな没落寸前の私に尽くすんだ?」

【ノア】
「……忘れてしまわれたのですか? 孤児院で泥水に塗れていた私を拾い上げ、人間らしい生活を与えてくださったのは、他でもないリシャール様です。あの日の貴方は、まるで光のようでした」

【リシャール】
「あれは……気まぐれだ。それに、お前の目がひどく飢えていて、放っておけなかっただけだ」

【ノア】
「ふふ……。気まぐれでも構いません。あの日から、私の命も、心も、すべては貴方のものです。貴方がどれほど傷つき、すべてを失ったとしても、私だけは貴方を敬い、愛し、お守りすると誓ったのです」

【リシャール】
「……ノア。ありがとう。お前のその言葉だけで、もう少しだけ戦える気がするよ。……うん、この紅茶を飲んだら、もう一度銀行に掛け合ってみる」

(ト書き:リシャール、紅茶を一口飲む)

【リシャール】
「……ん? なんだ……この味。いつもより、少し……」

【ノア】
「……お口に合いませんでしたか?」

【リシャール】
「いや……そうじゃない。ただ、少し……頭が、クラクラする……。それに、指先が……痺れて……」

(ト書き:リシャール、持っていたティーカップを取り落とす。カップが絨毯に転がる音)

【リシャール】
「……っ!? な、んだ……体が、動か、ない……っ。ノア……私に、何を……!」

【ノア】
「(※ここから声の温度が一段下がる)……おや。少し薬の量が多かったでしょうか。無理に動こうとしては駄目ですよ、リシャール様」

【リシャール】
「くすり……? お前……何を言って……。まさか、お前も私を、裏切るのか……!?」

【ノア】
「裏切る? とんでもない。私は先程も申し上げたはずです。私だけは、決して貴方を見捨てないし、愛していると」

(ト書き:ノア、動けなくなったリシャールに歩み寄り、その足元にゆっくりと跪く)

【ノア】
「(※マイクに近づき、吐息混じりに囁く)……ずっと、この時を待っていました。貴方がすべてを失い、羽をもがれ、私以外にすがる者がいなくなる、この瞬間を」

【リシャール】
「……どういう、ことだ……? 私が……家が没落したのは……っ」

【ノア】
「ええ。叔父様に横領の知恵を授けたのも、取引先に根も葉もない噂を流したのも、すべて私です。少し時間はかかりましたが……思い通りに事は運びました」

【リシャール】
「な、に……? お前が、仕組んだというのか……? 私を……こんな目に遭わせたのは、お前……っ!」

【ノア】
「仕方なかったのですよ。貴方は美しすぎた。気高すぎた。私のような底辺の人間など、足元に傅くことしか許されないほどに。……でも、貴方がすべてを失って、ただの『哀れな子供』になってしまえば……私が守って差し上げられる」

【リシャール】
「やめろ……っ、触るな! 狂ってる……お前は、おかしい!」

【ノア】
「(※さらに耳元に近づいて)ええ、狂っていますとも。貴方が私を拾ったあの日から、ずっと。……ああ、そんな怯えた目で見ないでください。震える肩も、熱い吐息も……すべてが愛おしい」

【リシャール】
「ひっ……! 誰か……誰か、助け……っ」

【ノア】
「(※唇に触れるような距離で)無駄ですよ。この屋敷の使用人は、もう全員解雇しましたから。助けなんて来ません。……貴方の世界にはもう、私しかいないんです」

【リシャール】
「あ……ぁ……」

【ノア】
「さあ、これからは私が、貴方のすべてを管理し、お世話して差し上げます。指一本動かせなくても、私がご飯を食べさせ、体を洗い、夜は優しく抱きしめて差し上げますから」

(ト書き:ノア、リシャールの手に自分の頬を擦り寄せる)

【ノア】
「愛しています、リシャール様。……これで一生、貴方は私だけのものです」


管理人のワンポイントアドバイス

お疲れ様でした! いやぁ……このじわじわと真綿で首を絞められるような空気感、最高ですね。
この台本を演じる際のコツをアドバイスします。

リシャール役の方へ
最初は「若き当主としてのプライド」と「限界寸前の脆さ」を同居させてください。
ノアに対してだけは心を許している、その「依存」のニュアンスが前半の鍵です。
後半、薬が効いてからは声の張りをなくし、息遣いで「恐怖」と「絶対的な無力感」を表現するとノアの狂気がより引き立ちます。

ノア役の方へ
前半はとにかく「完璧で優しく、包容力のある執事」を演じてください。
優しければ優しいほど、後半のギャップが活きます。
薬が効いて本性を現すシーンからは言葉遣いは丁寧なまま、声の温度だけをスッと冷たく(あるいは異常な熱を帯びて)変化させてください。
後半のト書き部分はマイクに極限まで近づいて、リップ音(息遣い)を意識した距離感で攻めるのがおすすめです!

★ここがポイント!
この作品の最大のクライマックスは紅茶を飲んでむせるリシャールと、それを見下ろすノアの「間の取り方」です。
リシャールが異変に気づいた時の静寂、そしてノアが「おや」と冷たく言い放つまでの数秒の沈黙。
この「間」でリスナーをゾクッとさせてください。
二人の関係性が完全に逆転する瞬間を息を呑むような空気で作り上げてくださいね!


利用規約

  • この台本は、YouTube、配信アプリ(Spoon/IRIAM等)、音声投稿サイト等で無料でご自由にお使いいただけます。
  • 使用時のご連絡は不要ですが、概要欄などに「サイト名:コエバコ」と記載していただけると嬉しいです。
  • 商用利用、改変もOKですが、自作発言はお控えください。

他にもシリアス・ドラマ系の台本をお探しの方はぜひこちらもチェックしてみてください!

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管理人からのお知らせ

いつもコエバコの台本を使っていただき、本当にありがとうございます!この度、リクエストの受付やコエバコの応援窓口として「OFUSE」を開設してみました。
もし「この台本良かったな」と思っていただけましたら、執筆の合間のコーヒー代をごちそうしていただけると、次の台本を書くものすごく大きな励みになります!
もちろん無料で楽しんでいただけるのが一番ですので、無理のない範囲で温かく見守っていただけたら嬉しいです。

この記事を書いた人

「コエバコ」管理人の伊織(いおり)です。 声劇が大好きで、みんなが気軽に遊べる台本置き場を作りました。 読みやすくて、演じていて楽しくなるような台本を目指して書いています。 練習用にも、配信の企画にも、自由に使ってくださいね。あなたの声で物語が完成するのを楽しみにしています。

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