こんにちは、コエバコ管理人の伊織です!
今回は映画のクライマックスのような「絶望的な状況からの自己犠牲」をテーマにした、約10分の長編SF台本をお届けします。
SE(効果音)やBGMをたっぷり重ねて、一本の音声作品として作り込みたいクリエイターさんやリスナーの涙腺を崩壊させたい演技派ペアに強くおすすめします。
極限状態での二人の会話、ぜひ感情を爆発させて演じてみてください!
作品情報
- 人数:2人(男女不問、同性アレンジもOK)
- 時間:約10分
- ジャンル:SFアクション・シリアス
- あらすじ:滅亡寸前の基地で民間人の避難船を守るために戦うパイロットと、彼を通信室からナビゲートするオペレーター。圧倒的な敵軍を前に、二人は悲壮な決断を下す。
登場人物
- 【レイ】:前線で戦う機動兵器のパイロット。口調は少しぶっきらぼうだが、誰よりも仲間思い。限界の状況でも、相棒であるシオンを気遣う優しさを持つ。
- 【シオン】:基地の通信室からレイを支援するオペレーター。真面目で冷静沈着を装っているが、レイのことを一番に大切に思っている。
本編
(※緊迫したBGM)
(※SE:レッドアラートのけたたましい警報音)
(※SE:通信機のノイズ音)
【シオン】
「レイ! 右舷から新たな敵機接近! 数、さらに増えます! 現在の防衛ライン突破まで、あと三十秒!」
【レイ】
「わかってる! 抜かせやしないさ!」
(※SE:激しい機関砲の連射音、続いて爆発音)
【シオン】
「敵機、三機撃墜を確認。……でも、後続が絶えません! このままじゃ、波状攻撃に押し切られます!」
【レイ】
「くそっ、まるで虫けらみたいに湧いてきやがるな! メインカメラ、映像にノイズが入ってる。シオン、そっちからレーダーの補正を頼む!」
【シオン】
「了解、レーダー補正データを転送します。……レイ、左前方から高エネルギー反応! 回避して!」
【レイ】
「チィッ……!」
(※SE:スラスターの噴射音、直後に巨大なビームがかすめるような鋭い音)
【シオン】
「直撃は回避……でも、シールドの出力が急低下! 左腕部の装甲が吹き飛びました! 機体の損傷率、すでに70%を超えています!」
【レイ】
「ははっ、完全にポンコツだな。整備班のおやっさんに後でどやされそうだ」
【シオン】
「笑い事じゃないわ! メインジェネレーターの出力も低下してる! これ以上の戦闘は……」
【レイ】
「シオン。……避難船の発進まで、あとどれくらいだ?」
【シオン】
「……現在、最終点検中。民間人の搭乗率は98%。発進シーケンスの開始まで、あと……4分30秒」
【レイ】
「4分半か。カップ麺を作るには長すぎるが、世界を救うには短すぎるな。……残弾は?」
【シオン】
「右腕のガトリングは残弾ゼロ。予備のミサイルポッドも、さっき撃ち尽くしました。残っているのは、近接戦闘用のプラズマブレードだけです」
【レイ】
「上等だ。近づいてきたヤツから、みじん切りにしてやるよ」
【シオン】
「無茶よ! 機体が、もう限界なの! レイ、少しだけ後退して防衛線を下げて! このままじゃあなたが……!」
【レイ】
「俺が下がったら、誰が避難船を守るんだよ。後ろには、未来を背負った子どもたちがたくさん乗ってんだぜ。……それに、お前だってまだ基地(そこ)にいるじゃないか」
【シオン】
「私は……私は、あなたをナビゲートするのが仕事だから……最後まで、ここにいるわ」
(※BGM:少し静かで切ないものに変わる)
【レイ】
「なぁ、シオン。……この戦争が終わったら、海を見に行く約束、あったろ」
【シオン】
「……ええ。一番綺麗なサンゴ礁がある、南の海。二人で、長期休暇を取って」
【レイ】
「お前、ずっとこの地下基地に引きこもりっぱなしだからな。肌も真っ白だし、少しは太陽の光を浴びないと」
【シオン】
「余計なお世話よ……。レイこそ、水着なんて持ってないくせに」
【レイ】
「現地調達するさ。……絶対、行こうな」
【シオン】
「……うん。絶対よ」
(※SE:けたたましい特殊警報音、システムのエラー音)
(※BGM:絶望的で緊迫したものに変わる)
【シオン】
「なっ……!? 嘘……!」
【レイ】
「どうした、シオン! 何があった!」
【シオン】
「巨大な熱源反応! 空間の歪みを検知……! 敵の母艦が、基地の真上へワープアウトしてきます!!」
(※SE:地鳴りのような重低音)
【レイ】
「……なるほどな。避難船を、離陸する前に直接狙い撃ちにする気か」
【シオン】
「そんな……母艦の主砲がチャージを開始しています! ターゲットは……避難船の第1ハッチ! 基地の防衛システムじゃ防ぎきれない!」
【レイ】
「発進まで、あと2分か……。シオン」
【シオン】
「ダメ……どうしよう、このままじゃみんな……!」
【レイ】
「シオン!! 落ち着いて聞け」
【シオン】
「……レイ?」
【レイ】
「機体の、リミッターを解除しろ」
【シオン】
「え……? リミッターって……でも、それを外したら動力炉が」
【レイ】
「暴走する。……その暴走したエネルギーごと、俺があの母艦に突っ込む。内部から爆破すれば、主砲のチャージは止まるはずだ」
【シオン】
「ダメよ!! そんなことしたら、レイは……レイは帰ってこられないじゃない!!」
【レイ】
「時間がない! 主砲を撃たれたら、避難船も基地も終わりだ! お前だって死ぬんだぞ!」
【シオン】
「それでもいい!! 私は……私は、あなたがいない世界なんて生きたくない! 私の権限で、自爆シーケンスの承認なんて……絶対にしない! 承認できるわけないじゃない!!」
【レイ】
「シオン……! 泣くな!」
【シオン】
「(泣き叫ぶように)嫌よ……! 一緒に海に行くって、言ったじゃない……! 生きて帰るって、約束したじゃない!!」
【レイ】
「ごめんな。……約束、守れそうにない」
【シオン】
「レイ……っ」
【レイ】
「俺たちの明日を守ってくれ。……頼む、シオン」
(※数秒の静寂。シオンの震える息遣い)
【シオン】
「……っ。(嗚咽をこらえながら)……リミッター、解除。……動力炉、臨界まであと十秒」
(※SE:キーボードのタイピング音、システム承認の重い電子音)
【レイ】
「……ありがとう」
【シオン】
「レイの、ばか……っ、大ばか……っ!」
【レイ】
「ははっ、違いねぇ。……さあ、いっちょ派手に花火を打ち上げてやるか!!」
(※SE:機体のすさまじいブースト音、アラートが鳴り響く)
【シオン】
「避難船、発進……! 大気圏、突破します……!」
(※SE:巨大なロケットの打ち上げ音)
【レイ】
「ああ、こっちからも見えた。……綺麗な軌跡だ。あの中には、俺たちが守り抜いた未来があるんだな」
【シオン】
「レイ……っ、レイ……!」
【レイ】
「泣くなよ、シオン。……お前と過ごせて、最高の人生だった。……来世でまた、海を見に行こうぜ」
【シオン】
「レイイイイイイイイイイイ!!!!!」
(※SE:鼓膜を破るような大爆発音、ホワイトアウトするような強烈な音)
(※SE:プツッという通信が切れるノイズ音)
(※数秒の完全な無音)
【シオン】
「……こちら通信室。……レイ、応答して。……レイ……」
(※SE:ザー……という砂嵐のノイズ音だけが静かに響く)
管理人のワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます! この台本は、絶望的な戦況から、命を燃やすクライマックスへの感情の振れ幅が最大の魅力です。演じる際のコツをアドバイスしますね!
【レイ】役の方へ
激しい戦闘中であっても、シオンと話すときは「あえて少し余裕のある、優しい声」を意識してみてください。
本当は死の恐怖や焦りがあるはずなのに、相棒を不安にさせないためにぶっきらぼうに振る舞う不器用さが後半の自己犠牲の切なさを倍増させます。
「俺たちの明日を守ってくれ」のセリフは声を張り上げるのではなく、静かな覚悟を込めて深く言い切るとカッコいいですよ!
【シオン】役の方へ
前半は優秀なオペレーターとして緊迫感を声のスピードや滑舌で表現してください。
「右舷から〜!」など、戦況報告は早口で焦りを見せると緊迫感が出ます。
そして後半、自爆を提案された瞬間に「プロのオペレーター」から「ただの一人の人間」へと崩れ落ちてください。
泣き叫ぶシーンは綺麗に読もうとせず、声が裏返ってもいいので感情を爆発させてOKです!
★ここがポイント!
この台本の一番の見せ場はレイに頼み込まれた後、シオンが自爆の承認ボタンを押すまでの「間(ま)」です。
数秒間、無言の中で「震える息遣い」「嗚咽を堪える音」だけをマイクに乗せてみてください。
リスナーの心臓をギュッと締め付けるような最高の泣き所になるはずです。
SEのタイミングと息を合わせて、映画のような神作品を完成させてくださいね! 応援しています!
利用規約
- この台本は、YouTube、配信アプリ(Spoon/IRIAM等)、音声投稿サイト等で無料でご自由にお使いいただけます。
- 使用時のご連絡は不要ですが、概要欄などに「サイト名:コエバコ」と記載していただけると嬉しいです。
- 商用利用、改変もOKですが、自作発言はお控えください。
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