こんにちは、コエバコ管理人の伊織です!
今回は「本格的な時代劇」の長編台本をお届けします。
幕末を思わせる動乱の時代、背中を預け合う二人の侍の絆と避けられない死別を描いた激アツなシリアス作品です。
激しい殺陣(たて)の息遣いや命がけの掛け合いが続くので、演技力や表現力を存分にぶつけ合いたいお二人にぴったり!
ぜひ、魂を込めて演じきってくださいね。
作品情報
- 人数:2人(男性想定ですが、女性の男装・イケボ設定など不問です)
- 時間:約10〜12分
- ジャンル:ファンタジー・時代劇 / シリアス・ドラマ
- あらすじ:明日の大規模な討ち入りを前に、縁側で酒を酌み交わす二人の剣客。だが、突如として敵の奇襲を受け、激しい乱戦に突入する。背中を預け合い敵を斬り伏せていく二人だったが、凶刃が彼らの運命を大きく狂わせていく……。
登場人物
- 【シン】:若く真っ直ぐな剣客。熱血漢で剣の腕は立つが、少し無鉄砲なところがある。新しい時代(平和な世)を夢見ている。
- 【ジン】:シンの兄貴分であり、冷静沈着な剣客。どこか達観しており、常にシンの背中を守ってきた。故郷に幼い妹を残している。
本編
(ト書き:秋の夜長。虫の音が響く静かな縁側。二人が酒を飲んでいる)
【ジン】
「……月が、綺麗だな。明日の夜は、こんな風にゆっくり月を見上げる余裕もねぇだろうが」
(ト書き:ジン、杯の酒を静かに飲み干す)
【シン】
「いよいよですね、ジンさん。明日の討ち入り……俺たちの組が先陣を切る。ついに、あの忌まわしい賊共の首魁(しゅかい)を討ち取れるんです!」
【ジン】
「気負いすぎるな、シン。お前の剣は鋭いが、熱くなると大振りになる癖がある。明日は総力戦だ。生き残ることを第一に考えろ」
【シン】
「わかってますよ。けど、俺は死んでも構わないと思ってます。この命で、この国に新しい夜明けが来るなら……本望です」
【ジン】
「馬鹿野郎。(少し呆れたように笑って)……命を粗末にする奴に、新しい時代を語る資格はねぇよ」
【シン】
「ジンさん……」
【ジン】
「いいか? 俺たちが刀を振るうのは、死ぬためじゃねぇ。生きて、戦の無い世の中を見るためだ。……お前、この動乱が終わったら何がしたい?」
【シン】
「え……戦が終わったら、ですか? ……そうですね、考えたこともなかったな。俺は物心ついた時から、刀を握ることしか知らなかったから……」
【ジン】
「何もねぇなら、俺と一緒に田舎へ来い。俺の故郷は、見渡す限りの茶畑でな。剣なんか捨てて、二人で茶でも作って、のんびり暮らすのも悪くねぇ」
【シン】
「へへっ、似合いませんよ、ジンさんが鍬(くわ)を持ってる姿なんて。……でも、悪くないですね。ジンさんの故郷で、平和な朝を迎える。……約束ですよ、それ」
【ジン】
「あぁ、約束だ。だから明日は、絶対に死ぬなよ」
(ト書き:虫の音がピタリと止む。周囲の空気が一気に張り詰める)
【シン】
「……ッ!? ジンさん……!」
【ジン】
「あぁ。……気配の隠し方が素人だな。数はおよそ……十か。明日の討ち入りを前に、先手を打ってきたってわけか」
(ト書き:ジン、ゆっくりと立ち上がり、刀の鯉口を切る。カチャ、という音)
【ジン】
「……シン、酔いは覚めたか?」
【シン】
「ええ。すっかり。……こんな夜更けに無粋な客ですね。もてなしてやりましょうか!」
(ト書き:激しく刀を抜く音!バァン!と障子が破られ、敵がなだれ込んでくる)
【ジン】
「来るぞ! 散開しろ!」
【シン】
「ハァッ!!」
(ト書き:鋭い剣戟の音。キィン!ガキィン!と金属がぶつかり合う)
【ジン】
「シッ!……そこだっ!!」
(ト書き:ジンが一人を斬り捨てる。ドサッ、という倒れる音)
【シン】
「オラァッ!!……甘いぜっ!!」
(ト書き:シンも立て続けに敵を捌く。激しい息遣い)
【ジン】
「シン! 右から三人だ! 囲まれるな!」
【シン】
「わかってます! ハァッ……! 邪魔だ、退けぇぇっ!!」
(ト書き:激しい打ち合い。二人は背中合わせになる)
【ジン】
「(息を荒げて)……ふっ、どうやらただの雑兵じゃねぇな。腕が立つ奴が混じってる」
【シン】
「(息を荒げて)……上等ですよ! 俺たちの背中には、互いがいる! 負ける気はしねぇ!!」
【ジン】
「油断するなよ! 行くぞ……斬るッ!!」
(ト書き:再び乱戦。激しく刀が打ち合う音が連続する)
【シン】
「くそっ、次から次へと……! 切りがねぇ!」
【ジン】
「焦るな! 呼吸を整えろ! ……隙ありッ! 御免!!」
(ト書き:敵を斬る音)
【シン】
「ジンさん、前衛は俺が引き受けます! 後ろをお願いします!」
【ジン】
「無茶言うな! お前一人で支えきれる数じゃ……チッ!」
(ト書き:屋根の上から微かな足音。ジンがそれに気づく)
【ジン】
「……屋根の上か!? 伏せろ、シン!!」
(ト書き:パンッ!という乾いた銃声)
【シン】
「え……?」
(ト書き:ドサリ、とジンが重く倒れ込む音)
【シン】
「……ジ、ジン、さん……?」
【ジン】
「ガハッ……! く、そ……卑怯な、真似を……ッ」
(ト書き:ジンの胸からおびただしい血が流れる)
【シン】
「ジンさん!! うわぁぁぁぁぁっ!!」
(ト書き:シン、怒りに任せて残りの敵に斬りかかる。鬼気迫る剣幕)
【シン】
「よくも……よくもォォッ!! 死ねぇぇぇっ!!」
(ト書き:数人を一気に斬り伏せる。残りの敵は恐れをなして逃げ出していく足音)
【シン】
「はぁ……はぁ……! ジンさん! ジンさん、しっかりしてくれ!!」
(ト書き:シン、血だらけのジンを抱き起こす)
【ジン】
「……ごほっ、がはっ……。おいおい、そんなに揺らすな……痛ぇじゃねぇか……」
【シン】
「す、すぐに手当てを……血が、血が止まらない……! 誰か! 誰か医者を!!」
【ジン】
「やめろ……シン。もう、無理だ……。肺を、やられた……」
【シン】
「そんなこと言うな! 約束したじゃないですか! 戦が終わったら、茶畑をやるって! 一緒に田舎に行くって……ッ!!」
【ジン】
「……あぁ、そうだったな。……わりぃ、俺は……約束を、守れそうにねぇ……」
(ト書き:ジン、震える手でシンの頬に触れる)
【ジン】
「……泣くな。男だろうが……」
【シン】
「(涙声で)嫌だ……置いていかないでくれよ! あんたがいなきゃ、俺は……俺の背中は、誰が守ってくれるんだよ!!」
【ジン】
「……お前は、もう……一人で立てる。俺が教えた剣は……お前の中に、ちゃんとある……」
(ト書き:ジン、自身の愛刀をシンに差し出す)
【ジン】
「……これを持っていけ。……俺の、代わりに……」
【シン】
「(嗚咽しながら刀を受け取る)ジン、さん……」
【ジン】
「……生きろ、シン。俺の分まで……。この、新し……い……時代、を…………見届け……」
(ト書き:ジンの手が力なく落ちる。事切れる)
【シン】
「……ジンさん? ジンさん!! なぁ、起きてくれよ! 嘘だろ!? なぁっ!!」
(ト書き:遠くで、夜明けを告げる鶏の鳴き声が聞こえる)
【シン】
「あぁ……ああぁぁぁぁぁっ……!! ジンさぁぁぁぁぁぁん!!!」
(ト書き:シンの慟哭が、白みゆく夜空に響き渡る。暗転)
管理人のワンポイントアドバイス
お疲れ様でした!いやぁ、書いていて私自身も熱くなってしまいました。
この台本を演じる際のコツをアドバイスしますね!
シン役の方へ
最初は「死ぬことも恐れない無鉄砲な若者」ですが、ジンの言葉で少しだけ未来に希望を持ちます。
だからこそジンが撃たれた時の【怒り】と【絶望】の落差を思い切りつけてください。
戦闘中の息遣いは若さゆえの荒々しさを全開にしてOKです!
最後の慟哭は喉が枯れるくらい全力で叫んで、聞く人の心を揺さぶってくださいね。
ジン役の方へ
常にシンのストッパーであり、大きな器を持った兄貴分です。
前半の日常会話では包容力のある落ち着いたトーンを意識してください。
戦闘中は一転して鋭く、歴戦の猛者感を出すとカッコいいです。
最期のシーンは息も絶え絶えになりながらも、決してシンを絶望させないような「優しい強さ」を残して息絶えるのがポイントです。
★ここがポイント!
この作品の肝は中盤の「背中を預け合う戦闘シーンのスピード感」と、終盤の「死別の間の(ま)の取り方」の対比です!
戦闘中はセリフに被るくらいのテンポでバンバン掛け合いをして臨場感を出してください。
逆にジンが撃たれた後は、一言一言の間に「死の足音」を感じさせるような重い沈黙を作ると、グッと引き込まれる作品になりますよ!
利用規約
- この台本は、YouTube、配信アプリ(Spoon/IRIAM等)、音声投稿サイト等で無料でご自由にお使いいただけます。
- 使用時のご連絡は不要ですが、概要欄などに「サイト名:コエバコ(voice-scripts.com)」と記載していただけると嬉しいです。
- 商用利用、改変もOKですが、自作発言はお控えください。
他にもファンタジー・時代劇系の台本をお探しの方はぜひこちらもチェックしてみてください!




コメント