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【2人用/長編・約10分】君が僕を忘れるまでのカウントダウン。「ごめんね、もう思い出せないんだ」【感動/泣き劇/シリアス】

こんにちは、コエバコ管理人の伊織です。
今回はリスナーさんの涙腺を崩壊させる「ガチ泣き」必至の長編シリアス台本をお届けします。
テーマは「記憶喪失」。徐々に記憶がこぼれ落ちていく絶望と、それを受け止める究極の愛を描きました。
週末の深夜配信など、じっくり演技を見せたい時におすすめの作品です。
感情の振り幅が大きいので、ぜひお二人で息を合わせて挑戦してみてください!

目次

作品情報

  • 人数:2人(男女想定ですが、性別変更アレンジOKです)
  • 時間:約10分
  • ジャンル:シリアス・ドラマ・泣き劇
  • あらすじ:徐々に記憶が消えていく不治の病に冒されたシズク。アサヒのことを完全に忘れてしまうまで、残された時間はあとわずか。恐怖と絶望の中で、二人は最後の会話を交わす。

登場人物

  • 【アサヒ】:シズクの恋人。シズクの病気を受け入れ、最後まで明るく振る舞おうと必死に努めているが、内心は悲しみで張り裂けそうになっている。
  • 【シズク】:不治の病により、記憶が徐々に消えていく。アサヒを愛しているからこそ、彼を忘れてしまうことに強い恐怖と罪悪感を抱いている。

本編

(病室、または静かな部屋。時計の秒針の音が微かに聞こえる)

【アサヒ】
「ほら、シズク。りんご剥いたぞ。お前の好きな、うさぎさんカットにしてやったんだから、ちゃんと感謝しろよな」

【シズク】
「ふふっ、ありがとう。……でも、耳のところ、ちょっと不格好じゃない?」

【アサヒ】
「うっさいなー。味は変わんないんだから、細かいことは気にすんなって。ほら、あーん」

【シズク】
「……あーん。(もぐもぐ)……うん、甘くて美味しい」

【アサヒ】
「だろ? 駅前のスーパーで一番高かったやつだからな。味わって食えよ」

【シズク】
「……ねえ、アサヒ」

【アサヒ】
「ん? どうした? まだ食うか?」

【シズク】
「先生が言ってた……タイムリミットまで、あと……10分だって」

【アサヒ】
「(動きが止まる)……そっか。そっかそっか! じゃあ、あと10分で俺のこと忘れちゃうってことか。ははっ、なんか変な感じだな」

【シズク】
「……無理して笑わないでよ。アサヒのそういう顔、見てるのが一番辛いんだから」

【アサヒ】
「無理なんかしてないって! ほら、せっかくの10分間なんだぜ? 泣きっ面で過ごすより、笑ってたいだろ? いっぱい思い出話しようぜ」

【シズク】
「……思い出話」

【アサヒ】
「そうだよ。ほら、初めてデートした日のこと、覚えてるか? 映画観た帰り、突然ゲリラ豪雨になっちゃってさ」

【シズク】
「(少し考え込む)……うん。二人で、ちっちゃい折り畳み傘に入って……駅まで走ったよね」

【アサヒ】
「そうそう! 俺の右肩、びしょ濡れになってさ。でもシズクが『ごめんね、ごめんね』って半泣きになってるのが可愛くて、全然寒くなかったんだよな」

【シズク】
「……あれ? 映画……何の映画だっけ?」

【アサヒ】
「え? アクション映画だよ。あの、主人公が最後に爆発から間一髪で逃げるやつ」

【シズク】
「(焦るように)アクション映画……? おかしいな。映画館のシートの手触りは覚えてるのに……スクリーンに何が映ってたか、真っ暗で……!」

【アサヒ】
「大、大丈夫だよ! ほら、映画なんてどうでもいいじゃん。じゃあさ、一昨年の夏、海に行ったのは? あの時、シズク、水色のフリルがいっぱいついた水着着ててさ。すげー似合ってたんだぞ」

【シズク】
「(呼吸が荒くなる)水色……。そっか。海に行ったことは、うっすら覚えてる……。でも……水着の色が……私、どんな顔して笑ってたっけ? アサヒは、どんな言葉をかけてくれたっけ……?」

【アサヒ】
「シズク、落ち着いて。深呼吸して」

【シズク】
「(徐々に泣き声に)思い出せない……。どうしよう、アサヒ。ついさっきまで鮮明に覚えてたはずの景色が、まるで砂浜に書いた文字みたいに、波に攫われて消えていくの……!」

【アサヒ】
「いいんだ、無理に思い出そうとしなくていい。俺が全部覚えてるから!」

【シズク】
「嫌だ!! 忘れたくないっ……! アサヒとの思い出は、私にとって宝物なのに……っ! ねぇ、怖いよ……。自分が自分でなくなっていくみたいで……頭の中に、真っ黒な消しゴムがかけられていくの……っ!」

【アサヒ】
「(抱きしめる)大丈夫だ、俺がここにいる。俺がずっとそばにいるから」

【シズク】
「(泣きじゃくる)……アサヒの匂い……アサヒの体温……。これだけは、絶対に忘れたくない……っ。お願い、神様……私の記憶を奪わないで……。アサヒのことだけは、忘れさせないでよ……っ!!」

【アサヒ】
「(涙声)シズク……」

【シズク】
「……ねぇ、アサヒ。もうすぐ……時間が来る」

【アサヒ】
「言うな。まだ時間はある。まだ……っ」

【シズク】
「お願いだから、聞いて。……私が、あなたのことを完全に忘れてしまったら……私のことは、もう置いていって」

【アサヒ】
「は……? 何言ってんだよ、お前」

【シズク】
「私と一緒にいたって、アサヒは傷つくだけだよ。思い出を共有できない恋人なんて、悲しすぎるじゃない……っ。だから、新しい人を見つけて。私のことは忘れて、幸せになって……!」

【アサヒ】
「(怒りと悲しみで声を荒げる)ふざけんな!!」

【シズク】
「っ……」

【アサヒ】
「俺が捨てるわけないだろ!! お前が忘れても、俺が全部覚えてるって言ったろ!! 初めて会った日のことも、キスした日のことも、くだらないことで喧嘩した日のことも! 俺の中に、二人の思い出が全部あるんだよ!!」

【シズク】
「でも……っ、私は、あなたを『知らない人』を見る目で見ちゃうんだよ!? そんなの、アサヒが辛いだけじゃない!」

【アサヒ】
「辛くたっていい!! お前がいない世界より、何万倍もマシだ!! (泣き崩れる)……お願いだから、勝手に俺の幸せを決めないでくれよ……。俺の幸せは、お前のそばにいることなんだよ……っ」

【シズク】
「(優しく頭を撫でる)……アサヒ。……ごめんね。……愛してるよ。今まで、本当に……ありがとう」

(時計の針の音が、ひときわ大きく響く)

【シズク】
「……あ……」

【アサヒ】
「シズク……?」

【シズク】
「(瞳からスッと感情が抜け落ちる。戸惑うように)…………あの」

【アサヒ】
「(息を呑む)……」

【シズク】
「……あなたは……誰ですか? どうして、泣いているんですか……?」

(沈黙。アサヒは一瞬絶望の表情を浮かべるが、強く拳を握りしめ、袖で乱暴に涙を拭う)

【アサヒ】
「(震える声を押さえ込み、優しく、しかし力強く微笑む)……初めまして」

【シズク】
「……初めまして……?」

【アサヒ】
「俺は、アサヒ。……君のことが、好きなんだ。これから、俺とたくさん思い出を作ってくれませんか?」

【シズク】
「(きょとんとして、やがて少しだけ微笑む)……私で、よかったら」


管理人・伊織のワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます! いかがでしたか?
涙なしには読めない展開ですよね。この台本をより深く演じるためのコツをいくつかお伝えします。

アサヒ役の方へ
最初は「無理をして明るく振る舞っている」ことを意識してください。
声は明るくても、息の吸い方や間(ま)に隠しきれない悲しみを滲ませるとリアルです。
後半シズクから「忘れて」と言われるシーンは、怒りと悲しみが一気に爆発するポイント。
「ふざけんな!!」には、ただの怒りではなく「自分を置いていこうとする彼女への愛」を込めてください。
最後の「初めまして」は、この劇で一番の泣きどころ。
絶望を飲み込み、もう一度恋を始める強さと優しさを見せてくださいね。

シズク役の方へ
徐々に記憶が欠落していく「恐怖」のグラデーションが鍵になります。
最初は少し忘れているだけだったのが、どんどん思い出せなくなり、パニックに陥っていく様子を呼吸の浅さや声の震えで表現してみてください。
「私が私でなくなっていく」絶望感を声に乗せましょう。
そして時計の針が鳴った後の「あの……あなたは誰ですか?」は、それまでの感情を全てリセットして本当に見ず知らずの人に向けるような純粋で透明な声を出してください。
この落差が聴く人の胸を締め付けます。

★ここがポイント!
この物語のクライマックスは終盤の二人の感情のぶつかり合いから、一気に静寂が訪れるラストシーンへの「温度差」です。
アサヒが泣き叫び、シズクが涙ながらに謝る感情のピークから記憶が消えた瞬間のスッと冷えるような静けさ。
そしてアサヒの覚悟を決めた優しい声。
この緩急(ダイナミクス)を二人で丁寧に作り上げることで、まるで映画を一本観終わったような深い余韻をリスナーさんに届けることができますよ。応援しています!


利用規約

  • この台本は、YouTube、配信アプリ(Spoon/IRIAM等)、音声投稿サイト等で無料でご自由にお使いいただけます。
  • 使用時のご連絡は不要ですが、概要欄などに「サイト名:コエバコ」と記載していただけると嬉しいです。
  • 商用利用、改変(性別や一人称の変更など)もOKですが、自作発言はお控えください。

他にもシリアス・ドラマ系の台本をお探しの方はぜひこちらもチェックしてみてください!

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この記事を書いた人

「コエバコ」管理人の伊織(いおり)です。 声劇が大好きで、みんなが気軽に遊べる台本置き場を作りました。 読みやすくて、演じていて楽しくなるような台本を目指して書いています。 練習用にも、配信の企画にも、自由に使ってくださいね。あなたの声で物語が完成するのを楽しみにしています。

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