こんにちは、コエバコ管理人の伊織です。
今回は配信で思いっきり「泣きの演技」を披露したい、リスナーさんの涙腺を崩壊させたい!という実力派ペアに向けたシリアス台本です。
タイムリープというSF要素を交えつつ、どうにもならない運命に直面した二人の切ないやり取りを描きました。
感情の振れ幅が非常に大きいので、演じがいのある作品になっていますよ。ぜひ挑戦してみてくださいね!
作品情報
- 人数:2人(男女、不問)
- 時間:約5分
- ジャンル:シリアス・SF
- あらすじ:平和な日常。しかし、アキはハルの次の言葉も行動もすべて知っていた。今日命を落とすハルを救うため、アキは100回目の「今日」を繰り返していたのだ。
登場人物
- 【アキ】:ハルを救うため、何度も時間を巻き戻している。繰り返す絶望の中で感情がすり減り、前半はどこか虚ろな目をしている。
- 【ハル】:アキの運命の相手。明るく、思いやりがある。今日、不慮の事故で命を落とす運命にあることに気づいていない。
本編
(ト書き:昼下がり、アキの部屋。テレビからは夕方のニュースが小さく流れている。)
【ハル】
「あーあ、今日も結局ダラダラしちゃったね。せっかくの休みだったのに」
【アキ】
「……まあ、たまにはいいんじゃない」
【ハル】
「アキはいつもそうやって甘やかすんだから。……あ、そういえばさっきの映画の続き」
【アキ】
(食い気味に)
「主人公が裏切られるんでしょ。で、最後は海辺で終わる」
【ハル】
「え? ……ちょっと、なんで言っちゃうの!? まだ見てないのに!」
【アキ】
「……ごめん。つい」
【ハル】
「もう……。じゃあ、喉乾いたしコーヒー淹れるね。アキも飲む?」
【アキ】
「いや、いい。……それより、そこのマグカップ、気をつけて。取っ手が欠けてるから」
(ト書き:ハルが手を伸ばした瞬間、マグカップが倒れそうになるが、アキが間一髪で掴む)
【ハル】
「わっ! ……ありがとう。危なかった。でも、なんで分かったの?」
【アキ】
「……」
【ハル】
「ねえ、アキ。なんか今日、変だよ? さっきから私の言うこと全部先回りしてるっていうか……。私の心でも読めるようになったの?」
【アキ】
「……違うよ」
【ハル】
「じゃあ、なんなの? なんか、ずっと上の空だし。目、合わせてくれないし」
【アキ】
「……100回目なんだ」
【ハル】
「え? 100回?」
【アキ】
「お前がそのマグカップを倒しそうになるのも、さっきの映画の結末も、外で今から救急車のサイレンが鳴るのも……全部、知ってるんだよ」
(ト書き:遠くから救急車のサイレンが近づき、通り過ぎていく)
【ハル】
「……え、嘘でしょ? なに、マジック? それともドッキリ?」
【アキ】
「今日なんだよ……。今日、夕方の5時。お前は、駅前の交差点でトラックに轢かれる。即死だった」
【ハル】
「……アキ、冗談にしては悪趣味だよ。私、死ぬの?」
【アキ】
(声のトーンが少しずつ上がり、感情が漏れ出す)
「冗談なもんか!! 最初は信じられなかった。でも、お前の冷たくなった手握って、気づいたらまた今日の朝に戻ってて……! だから、今日こそはって、家から一歩も出ないようにしたんだ。でも……ダメだった」
【ハル】
「ダメだったって……私、今ここにいるよ?」
【アキ】
「1回目は交差点。2回目は無理やり別の道を通らせたけど、上から看板が落ちてきた。3回目は家に閉じ込めたけど、強盗が入って刺された……! 何度やり直しても、どんな手を使っても、絶対にお前は死ぬんだよ!!」
(ト書き:アキ、膝から崩れ落ちて号泣し始める)
【アキ】
「10回目くらいまでは、まだ希望があった……。でも、50回、80回って繰り返すうちに、お前が死ぬ瞬間を何十回も見せられて……! もう、頭がおかしくなりそうなんだよ!! なんでだよ……なんでお前じゃなきゃダメなんだよ……っ!!」
【ハル】
「アキ……」
【アキ】
「ごめん……ごめんね、ハル。私(俺)、また失敗しちゃった……。お前を、助けられない……っ。もう、どうすればいいか分かんないよ……!!」
(ト書き:子供のように泣きじゃくるアキ。ハルは驚きと戸惑いの中、ゆっくりとアキの前にしゃがみこみ、その震える体を優しく強く抱きしめる)
【ハル】
「……そっか。アキはずっと、一人で戦ってくれてたんだね。私のために、何度も何度も」
【アキ】
「……っ、ハル……」
【ハル】
「ごめんね、辛い思いさせて。……でも、もういいよ」
【アキ】
「え……?」
【ハル】
「私を助けるために、アキの心をこれ以上壊さないで。100回も私のために時間を使ってくれたんでしょ? それだけで、私、十分幸せだよ」
【アキ】
「ダメだ……そんなの、絶対にイヤだ! お前がいない明日なんて、意味ないんだよ!」
【ハル】
「ううん、意味はあるよ。……お願い。私のいない明日を、ちゃんと生きて。私の分まで、アキ自身の時間を取り戻して」
(ト書き:部屋の時計の針が進む音が、ひときわ大きく響く。カチッ、カチッ……)
【ハル】
「……ほら、もうすぐ5時だね。ねえ、アキ。最後に、笑って?」
【アキ】
「ハル……行かないで……ハル!!!」
(ト書き:カチッ、と時計が5時を指す音。同時に、キキィィッ!という車の急ブレーキの音と激しい衝突音が響き渡り、ブツッと途切れる)
(暗転)
管理人のワンポイントアドバイス
この台本の見せ場は、なんといってもアキの感情の爆発です。絶望と愛のコントラストをしっかり意識して演じてみてくださいね。
アキ役の方へ
前半は、100回同じ一日を繰り返している「諦め」と「疲弊」を表現してください。
少し投げやりで、感情がこもっていないような平坦なトーンが効果的です。
そこから一転、中盤の「冗談なもんか!!」から一気に感情を爆発させます。
限界まで張り詰めていた糸が切れたように、後半は子供のように無様に、声がひっくり返るくらい泣き叫んでみてください。
このギャップがリスナーの心を揺さぶります。
ハル役の方へ
最初は「ちょっと変なアキ」に対する日常の戸惑いを自然に演じます。
アキの告白を聞いてからは、状況の異常さに驚きつつも、目の前でボロボロに崩れ落ちるアキへの愛情が勝っていく過程を意識してください。
最後のアキを抱きしめるシーンは、全てを包み込むような深い母性と優しさを持って、穏やかに、でも芯のある声で語りかけてみてください。
★ここがポイント!
ラストシーン、時計の針の音(カチッ、カチッ)を意識した「間(ま)」の取り方が勝負です!
ハルの「最後に、笑って?」の後の少しの静寂、そしてアキの絶望の叫び。
このクライマックスに全てをぶつけてください。
結末でハルが助かったのか、運命を受け入れたのかは、皆さんの演技のニュアンスでリスナーに想像させてみましょう!
利用規約
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