こんにちは、コエバコ管理人の伊織です。
今回は「実は〇〇だった」という、リスナーさんの心をグッと惹きつける『真相発覚(どんでん返し)』がテーマのファンタジー台本をお届けします。
敵対する関係から始まり、衝撃の事実を経て、最後は愛と絶望の決断を迫られる…。
演者の感情のグラデーションが試される、やりがいのある長編です。
私自身、ファンタジー作品における
「最初から悪役として描かれていた人物が実は誰よりも優しい心を持っていた」
という展開がとても好きで、この台本を書き上げました。
愛する人を守るために、あえて嫌われ役を買って出るシオン。
そして真実を知って絶望しながらも前に進まなければならないユウ。
この二人の切なくも美しい関係性を演者さんそれぞれの解釈で自由に彩っていただけたら嬉しいです。
特に後半の感情が溢れ出すシーンは、聴いている方の心が大きく動くポイントになると思います。
男女問わず演じられるので、ぜひお好きなペアで挑戦してみてくださいね!
【2人用ファンタジー】声劇台本『玉座の嘘』作品情報
- 人数:2人(男女不問)
- 時間:約10分
- ジャンル:ファンタジー・シリアス・悲恋
- あらすじ:魔王城の最奥にたどり着いた勇者。激しい戦いの中、魔王の仮面が割れ、その素顔が露わになる。魔王の正体は、かつて行方不明になった勇者の幼馴染だった。
登場人物:魔王と勇者の切ない関係性
- 【ユウ】:勇者。正義感が強く、真っ直ぐな性格。神隠しに遭った幼馴染のシオンを、何年も探し続けている。
- 【シオン】:魔王。冷徹な仮面を被っているが、その素顔はユウの幼馴染。ある過酷な運命を背負っている。
※性別は演者様に合わせて自由に変更・解釈していただいて構いません。
【声劇台本】本編:どんでん返しが待つシリアスストーリー
(重厚な扉が開く音)
【ユウ】
「はぁっ……はぁっ……! ついに、ここまで来たぞ。……魔王!」
【シオン】
「ほう。数多の罠を抜け、我が四天王を打ち倒し……よくぞここまで辿り着いたな、人間よ。いや、勇者と呼ぶべきか」
【ユウ】
「お前のせいで、どれだけの命が奪われたと思ってるんだ! お前が撒き散らした瘴気で、大地は枯れ、人々は苦しんでいる! 今日ここで、俺(私)がお前を討つ!」
【シオン】
「愚かな。その程度の剣で、この私に届くとでも思っているのか? 我が力、絶望と共に味わうがいい」
(激しい剣戟の音。幾度か刃が交える)
【ユウ】
「くっ……! まだだ、こんなところで……倒れるわけにはいかないんだよっ!」
【シオン】
「……その執念だけは褒めてやろう。だが、そこまでだ!」
【ユウ】
「……隙ありっ!! うおおおおおっ!!」
(ユウの渾身の一撃が入り、何かが砕け散る音)
【シオン】
「……っ!」
【ユウ】
「……やったか!? ……え?」
(静寂。魔王の顔を覆っていた仮面が割れ落ちる)
【ユウ】
「……嘘だろ。どうして……」
【シオン】
「…………」
【ユウ】
「お前……シオン、なのか……? 3年前に神隠しに遭って、ずっと行方不明だった……俺の、幼馴染の……」
【シオン】
「……あぁ。バレてしまったか」
【ユウ】
「なんで……なんでお前が魔王なんかやってるんだよ! ずっと探してたんだぞ! ずっと……!」
【シオン】
「剣を拾え、ユウ。私は魔王だ。お前の敵だ」
【ユウ】
「ふざけるな! 攻撃なんてできるわけないだろ! 理由を言え! なんでお前が人間を襲うんだよ!」
【シオン】
「……私が人間を襲った? 違うな。私が魔族を統率しなければ、魔族は無秩序に人間界を蹂躙していた。私が『魔王』として君臨し、あえて緩やかに侵攻することで、被害を最小限に抑えていたんだ」
【ユウ】
「被害を最小限……? じゃあ、あの呪いはなんだ! 世界を蝕む瘴気は! あれはお前が撒き散らしてるんじゃないのか!」
【シオン】
「……アレは、この世界そのものが抱える病だ。大地の底から湧き出る呪いを、誰かが『器』となってその身に封じ込めなければ、世界はとっくに滅んでいたんだよ」
【ユウ】
「まさか……お前がその『器』に……? でも、なんで! なんでお前がそんな役目を背負わなきゃいけないんだよ!」
【シオン】
「……お前が、勇者に選ばれそうだったからだよ」
【ユウ】
「え……?」
【シオン】
「世界を救う勇者。……響きはいいがね。その実態は、呪いの器となるためのただの『生け贄』だ。お前は真っ直ぐすぎるから……選ばれたら、絶対に断らないだろう? 私は……お前に、そんなふざけた運命を背負わせたくなかった」
【ユウ】
「俺のために……? そんなの、俺は頼んでない! なんで勝手に……ッ! だったら二人で逃げればよかったじゃないか!」
【シオン】
「逃げてどうなる。誰かがやらなきゃ、世界が終わるんだ。お前の生きる場所がなくなってしまう。……だから、私が代わりになった。ただ、それだけのことだ」
【ユウ】
「……(泣き崩れるように)っ……シオン……お前ってやつは……」
【シオン】
「ごめんね、ユウ。でも……もう限界なんだ。私の心は、もうすぐ呪いに完全に飲み込まれる。理性を失った本物のバケモノになって、今度こそ本当に世界を滅ぼしてしまう」
【ユウ】
「そんな……助ける方法があるはずだ! 光の魔法で、浄化すれば……!」
【シオン】
「無理だ。もう私の魂と呪いは同化している。……だから、ユウ。私の意識があるうちに……お願いだ。私を、討ってくれ」
【ユウ】
「できるわけないだろ!! 俺はお前を助けるために、お前を連れ帰るために剣を振ってきたんだぞ!!」
【シオン】
「……ユウ。これは、勇者であるお前の使命だ。世界を……そして私を、救ってくれ。……私をこの呪いから、解放してほしい」
【ユウ】
「(嗚咽)……やだ……いやだよ、シオン……ッ!」
【シオン】
「……(優しく微笑んで)大きくなったな。……ずっと、逢いたかったよ。……さぁ、剣をとって。……ようやく、君の手で終わらせてくれるんだね」
【ユウ】
「……っ! ……(震える手で剣を構え、涙声で)……愛してる。ずっと、探してた。……こんな再会、したくなかったよ……」
【シオン】
「……私もだよ。……ありがとう、ユウ。……愛してる」
【ユウ】
「あああああああああああああああああああッ!!」
(剣を振り下ろす音)
(静寂の中、何かが崩れ落ちる音だけが響く)
シリアスな演技を深める!管理人のワンポイントアドバイス
お疲れ様でした! 感情のジェットコースターのような展開、いかがでしたか?
この台本を演じる際のコツを少しだけアドバイスさせていただきますね!
★ここがポイント!
一番の聴かせどころは、結末に向かう「間の取り方」です!
ユウが真実を知り、泣き崩れそうになる中での二人の会話。
セリフとセリフの間にしっかり「ため息」や「葛藤する沈黙」を入れることで、10分間という長い時間軸に見合った重厚感が出ます。
リスナーさんが一緒に息を呑むような、たっぷりとした「間」を楽しんでみてくださいね!
さらに没入感を高めるための演出アイデア
おすすめのBGM
前半の戦闘シーンはテンポの速いオーケストラ調の曲で緊張感を高め、仮面が割れた後は一転して、ピアノやオルゴールだけの静かで悲しげな曲に切り替えるのがおすすめです。
マイクとの距離感について
戦闘中は少しマイクから離れて声を張り上げ、激しさを表現してみてください。反対に、後半のシオンが本音をこぼすシーンや、ユウが泣き崩れるシーンは、マイクにぐっと近づいて吐息混じりに囁くように演じると、よりリアルな距離感がリスナーさんに伝わります。
感情の作り方
ユウ役は「もし自分の一番大切な人が、自分を庇って犠牲になっていたら」と想像してみてください。シオン役は「明日で自分の命が終わるとしたら、最後に一番好きな人にどんな顔を見せたいか」を思い浮かべて演じてみると、自然と声に深みが出てくるはずです。
声劇台本の利用規約について
- この台本は、YouTube、配信アプリ(Spoon/IRIAM等)、音声投稿サイト等で無料でご自由にお使いいただけます。
- 使用時のご連絡は不要ですが、概要欄などに「サイト名:コエバコ」と記載していただけると嬉しいです。
- 商用利用、改変(性別や一人称の変更など)もOKですが、自作発言はお控えください。
さいごに
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
もしこの台本を演じてみた方や読んでみて心が動いたと感じてくださった方は、ぜひ下のコメント欄で感想を教えてもらえると嬉しいです。
「ここのセリフに苦戦した!」「こんなアレンジを加えて演じてみたよ!」など、皆さんの生の声を聞けることが私の何よりの励みになります。
演者さん同士の交流の場としても、気軽に書き込んでいってくださいね。
また、シリアスな掛け合いを楽しんだ後は、少し気分を変えてコメディ台本はいかがですか?
同じファンタジーの世界観でも、こちらは思わず笑ってしまうようなドタバタ劇になっています。
勇者と魔王の切ない関係を演じきった後の気分転換に、ぜひ仲間たちとワイワイ演じてみてくださいね。
もっと熱いバトル展開を演じたいという方には、和風ファンタジーの台本もご用意しています。




コメント