【2人用/長編・約10分】堕ちた英雄と、剣を継ぐ者。「立て! これが私の最後の教えだ」【ファンタジー/師弟/激アツバトル】

こんにちはコエバコ管理人の伊織です。
今回は、「とにかく熱いバトルをガッツリ演じたい!」「エモい師弟関係で泣かせたい!」という方に向けて、カロリー高めの長編ファンタジー台本をお届けします。
迫力ある剣戟のアクションや修行時代の回想シーンなど、まるで深夜アニメのクライマックスのような展開が詰まっています。
ぜひ、相方さんと一緒に世界観に入り込んで、思いっきりぶつかり合ってみてくださいね!

目次

作品情報

  • 人数:2人(男女不問)
  • 時間:約10分
  • ジャンル:ファンタジー・師弟・バトル
  • あらすじ:魔王討伐のため旅を続けてきた弟子。しかし崩壊する魔王城の玉座で待っていたのは、闇に飲まれたかつての師匠だった。絶望の刃を向ける師に対し、弟子は教えられた「絶対に諦めない」心で立ち向かう。

登場人物

  • 【アレン】:若き剣士。真っ直ぐで正義感が強く、少し不器用。かつて命を落とした師匠【クロウ】を深く敬愛し、その遺志を継いで世界を救う旅をしてきた。
  • 【クロウ】:かつて世界最強と謳われた英雄であり、アレンの師匠。死んだと思われていたが、強大な闇の力に魅入られ、冷酷な性格へと変貌してアレンの前に立ちはだかる。

※アレン、クロウともに性別不問です。演者様の声質に合わせて、青年、少女、女性剣士など自由に解釈してください。


本編

(※崩壊していく魔王城の奥深く。瓦礫が崩れる音)

【アレン】
「(荒い息遣い)はぁっ……はぁっ……。ついに、ここまで来た。魔王、お前の野望もここまでだ……っ!」

(※アレン、重い扉を押し開ける)

【アレン】
「覚悟しろ!……えっ?」

(※玉座に座っている人影を見る。信じられないものを見たように息を呑む)

【アレン】
「(震える声で)嘘だ……。そんな、はずはない……。あなたは、あの時、俺を庇って……っ。クロウ……師匠……!?」

(※ゆっくりと立ち上がるクロウ。足音)

【クロウ】
「……久しいな、アレン。驚くのも無理はない。私も、再びこの世で目覚めるとは思っていなかったからな」

【アレン】
「生きて……生きていたんですね!よかった……俺、ずっとあなたが死んだと思って……っ!」

(※アレン、駆け寄ろうとするが、クロウが剣を抜く。鋭い金属音)

【アレン】
「……っ!? 師匠……?」

【クロウ】
「気安く近づくな。……死んだのは事実だ。だが、深淵の闇が私に再び命を与えた。この身に流れるのは、もはや人の血ではない。絶対的な『力』だ」

【アレン】
「闇……?何を言ってるんですか!あなたは世界を守る英雄だったはずだ!俺に、剣を教えてくれた……っ!」

【クロウ】
「英雄など、虚しい幻想に過ぎん。私は見たのだよ、死の淵で。人間たちの醜い欲望、繰り返される争い……。この世界は、とうに腐りきっている。だから、私が一度すべてを無に帰す」

【アレン】
「そんな……あなたが、世界を滅ぼす魔王になったっていうのか……!?冗談じゃない!!」

【クロウ】
「信じられぬなら、その体で理解させてやろう」

(※クロウ、瞬時に距離を詰める。強烈な剣の打ち込み)

【アレン】
「(咄嗟に剣で防ぐ)ぐあっ……!?」

【クロウ】
「どうした? 剣の握りが甘いぞ、アレン!」

(※激しい剣戟。打ち合う音、3回)

【アレン】
「くそっ……!(弾き飛ばされて)はぁっ……!」

【クロウ】
「遅い。情で剣が鈍っている。私を斬らねば、お前が死ぬぞ?」

(※回想シーン:少しリバーブ(エコー)をかける)

【クロウ】
『(優しく、しかし厳しく)いいか、アレン。剣とはただ敵を斬るための道具ではない。誰かを守り抜くための「意志」だ。決して、その心をブレさせるな』

【アレン】
『はい、師匠! 俺、絶対に師匠みたいな強くて優しい剣士になります!』

(※現実に戻る。激しい剣の衝突音)

【アレン】
「(歯を食いしばりながら)うおおおおおっ!!」

【クロウ】
「(冷笑)フッ……。ただの力任せか。あの頃から何も成長していないな」

(※クロウの強力な蹴り)

【アレン】
「がはっ……!!(地面を転がる)ごほっ……げほっ……」

【クロウ】
「(見下ろして)失望したぞ、アレン。お前の正義とやらも、結局はその程度のものか。私が遺した剣術も、お前には豚に真珠だったようだな」

【アレン】
「(苦しそうに立ち上がりながら)違う……。俺は……あんたから教わったものを、無駄になんか……っ!」

【クロウ】
「ならば証明してみせろ! 口先だけなら誰でも言える!」

(※クロウ、巨大な闇の魔法を放つ)

【クロウ】
「深淵より出でし黒炎よ、灰燼と化せ!」

【アレン】
「っ! (必死に回避するブレス)はっ! くっ……!」

(※爆発音。周囲の瓦礫が崩れる)

【アレン】
「(息を切らして)はぁ、はぁ……。なんて力だ……。魔力も、剣撃の重さも、俺の知ってる師匠の比じゃない……」

【クロウ】
「どうした、逃げ回ってばかりか? やはりお前には無理だったのだ。世界を救うことも、私を超えることもな」

【アレン】
「……なんでだよ。あんなに優しかったあなたが、どうして……。俺が弱かったから……俺を庇って死んだから……あなたをこんな風に歪ませちゃったのか……!」

【クロウ】
「自惚れるな。これは私自身の選択だ。世界を正しく導くには、圧倒的な恐怖と破壊が必要なのだ。さあ、終わりにしよう」

(※クロウが剣を上段に構える。圧倒的な威圧感)

【クロウ】
「次の一撃で、お前のその無意味な旅を終わらせてやる」

【アレン】
「(膝をつき、下を向く)……俺じゃ、勝てないのか……。やっぱり、師匠には……」

(※回想シーン:リバーブ)

【クロウ】
『(叱咤するような強い声)立て、アレン!! まだ倒れる時ではない!』

【アレン】
『(幼い声で)でも……もう、腕が上がらないよ……』

【クロウ】
『体が動かないなら、心で剣を振れ! 限界を決めるのはお前自身だ!いいか、私が教えたのは諦めることじゃない。「絶対に諦めない」という誇りだ!!』

(※現実に戻る。アレン、顔を上げる)

【アレン】
「……そうだ。俺は……まだ、諦めない!」

(※アレン、ゆっくりと立ち上がり、剣を両手で力強く握り直す)

【アレン】
「俺は、今のあなたを認めない……! 世界が腐ってるなんて、嘘だ!!」

【クロウ】
「ほう……まだそんな気力が残っていたか」

【アレン】
「あなたが教えてくれたんだ! この世界には、守るべき笑顔があるって。剣を振るう意味があるって!!」

【クロウ】
「戯言を……!! 消え失せろ!!」

(※クロウ、一直線に突進してくる)

【アレン】
「俺は……俺の信じる、あなたの教えで……あなたを越える!!」

(※アレン、ありったけの魔力を剣に込める)

【アレン】
「天に輝く白き光よ……我が刃に集い、闇を裂く牙となれ!」

【クロウ】
「無駄だ! その程度の光で、私の闇は払えん!! 滅びよ!!」

【アレン】
「うおおおおおおおおっ!!」

【クロウ】
「はあああああああっ!!」

(※二人の必殺技が激突する。凄まじい轟音と光)

【アレン】
「(歯を食いしばって)まだだ……っ! まだだっ!! 師匠おおおおおっ!!!」

【クロウ】
「(驚愕の息)なっ……ば、かな……! 闇が、押されている……!?」

【アレン】
「これが……俺の……すべてだぁぁっ!!」

(※眩い閃光と共に、剣が肉を裂く音)

【クロウ】
「がはっ……!!」

(※クロウ、背中から崩れ落ちる。重い音が響く)

【アレン】
「(肩で息をして)はぁっ……! はぁっ……! 師匠……っ!」

(※アレン、慌ててクロウに駆け寄る)

【アレン】
「師匠! しっかりして……!」

【クロウ】
「(苦しそうに、しかし穏やかな声で)……がはっ……。まったく……。加減というものを、知らないのか……お前は……」

【アレン】
「……え? 師匠……その、声……」

【クロウ】
「……よく、やった……。アレン……。強くなった、な……」

【アレン】
「師匠……元に、戻ったの……? どういうことだよ……!?」

【クロウ】
「……蘇ったのは事実だ……。だが、強大な闇の力は、私の精神を……完全に蝕もうとしていた……。このままでは、私は本当に……自我のない破壊の化身になってしまう……」

【アレン】
「じゃあ……さっきのひどい言葉は……!」

【クロウ】
「……すまない。私が完全に飲まれる前に……お前の手で、私ごと……この闇を討ち払ってほしかったのだ……」

【アレン】
「そんな……! なんでだよ! 俺に……あんたを殺させるために、あんな悪役を演じて……!」

【クロウ】
「……お前が……迷わず、剣を振るえるように、な……。それに……私は見たかったのだ……。私が遺した希望が……どれほど大きく育ったかを……」

【アレン】
「(涙声で)馬鹿野郎……っ! こんなのってないよ……! せっかくまた会えたのに……! っ……うぅっ……」

【クロウ】
「(優しく微笑んで)泣くな、アレン……。私の誇りよ……。お前は見事に、私を超えてみせた……」

【アレン】
「師匠……っ!」

【クロウ】
「……頼んだぞ、アレン。この世界の……未来を……」

(※クロウの体が光の粒子となって消えていく)

【アレン】
「待って……行かないでくれ! 師匠! 師匠おおおおおおっ!!」

(※静寂。アレンのすすり泣く声だけが響く)

【アレン】
「……うっ……うぅっ……」

(※アレン、地に落ちたクロウの剣を拾い上げる。剣の重みを感じる)

【アレン】
「……(涙を拭い、深く深呼吸をする)……」

(※アレン、立ち上がり、前を向く)

【アレン】
「……見ていてください、師匠。あなたが守りたかったこの世界……俺が、絶対に守り抜いてみせますから」

(※力強く歩き出す足音。フェードアウト)


管理人のワンポイントアドバイス

ここまで読んでいただきありがとうございます!伊織です。
この台本はバトルの勢いと、後半の感情の起伏がカギを握る作品です。
それぞれの役を演じる際のコツをまとめました!

アレン役の方へ
前半は「死んだはずの師匠が生きていた喜び」から一転、「冷酷な敵として立ちはだかる絶望」へと一気に叩き落とされます。
この感情の落差を大事にしてください。
後半立ち上がるシーンでは、最初は弱々しくても言葉を発するごとに徐々に芯の強さを声に乗せていくと、クライマックスの必殺技の叫びがより活きてきます!

クロウ役の方へ
前半の「闇落ち状態」では威厳と冷酷さを前面に出し、アレンを徹底的に見下すような冷たいトーンで演じてみてください。
しかし回想シーンでは「厳しさの中にも愛がある温かい声」を、そして結末の倒れた後は「優しく、少し安堵したような穏やかな声」を出すことで圧倒的なギャップを生み出すことができます。

★ここがポイント!
この台本の一番の見せ場は、「回想シーンからの現実への切り替え」と、「戦闘中の息遣い(ブレス)」です!
回想から現実に戻った瞬間、声のトーンやテンポをガラッと変えることで、視聴者をハッとさせることができます。
また、「くっ!」「はぁっ!」といったダメージや疲れを表現するブレスをリアルに入れることで、ただ台本を読んでいるのではなく、本当に戦っているような臨場感が出ますよ。
恥ずかしがらずに、全力でアクション映画の主人公になりきってくださいね!


利用規約

  • この台本は、YouTube、配信アプリ(Spoon/IRIAM等)、音声投稿サイト等で無料でご自由にお使いいただけます。
  • 使用時のご連絡は不要ですが、概要欄などに「サイト名:コエバコ(voice-scripts.com)」と記載していただけると嬉しいです。
  • 商用利用、性別や語尾などの多少の改変もOKですが、自作発言はお控えください。

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この記事を書いた人

「コエバコ」管理人の伊織(いおり)です。 声劇が大好きで、みんなが気軽に遊べる台本置き場を作りました。 読みやすくて、演じていて楽しくなるような台本を目指して書いています。 練習用にも、配信の企画にも、自由に使ってくださいね。あなたの声で物語が完成するのを楽しみにしています。

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