こんにちは、コエバコ管理人の伊織です。
今回は「疑心暗鬼」をテーマにした、4人用の本格ミステリー台本です。
嵐の夜、消えた宝石を巡って暴露される互いの秘密。そして衝撃の結末……。
心理戦や掛け合いを楽しみたいグループに、ぜひ挑戦していただきたい自信作です!
作品情報
- 人数:4人(性別不問)
- 時間:約6~8分
- ジャンル:ミステリー・サスペンス
- あらすじ:嵐で孤立した別荘。オーナー秘蔵の宝石「セイレーンの涙」が消えた。居合わせた4人の容疑者たちは、互いの罪を擦り付け合い、やがて醜い本性をさらけ出していく。
登場人物
- 【アキ】:探偵役。冷静沈着で場を仕切ろうとするが、どこか冷徹。
- 【カオル】:富豪役。プライドが高く横柄だが、実は金銭的に追い詰められている。
- 【サツキ】:使用人役。丁寧な物腰だが、雇用主や富裕層に対して軽蔑の念を抱いている。
- 【ナギ】:記者役。好奇心旺盛で口が達者。スクープのためなら火種を撒くことも厭わない。
※性別は不問です。一人称や口調は演者にあわせて微調整してください。
本編
(激しい雷鳴と雨の音)
【アキ】
「……さて。状況を整理しましょうか」
【カオル】
「整理も何も、盗まれたんだぞ! あの宝石『セイレーンの涙』が!」
【ナギ】
「時価3億円だっけ? オーナーが自慢げに見せびらかした直後の停電。電気がついたら、ケースは空っぽ。……まるで手品だね」
【サツキ】
「手品なものですか。これは立派な犯罪です。警察を呼びましょう」
【アキ】
「無駄ですよ。この嵐で電話線は切れている。携帯の電波も圏外だ。ここはいま、陸の孤島と同じなんですよ」
【カオル】
「じゃあどうするんだ! 犯人はこの中にいるかもしれないんだぞ!」
【サツキ】
「……カオル様。『この中』というのは、誰のことを指しているんですか?」
【カオル】
「お前だよ! 使用人のお前が一番怪しいに決まってるだろ! 金に困って盗んだんじゃないのか?」
【サツキ】
「……失礼な。私はオーナーに長年仕えてきました。そんな恩知らずな真似、するはずがありません」
【ナギ】
「へえ、長年の忠誠、ねえ。でもサツキさん、僕知ってるよ? 君、来月でここを解雇される予定だったんでしょ?」
【サツキ】
「ッ……! な、なぜそれを……」
【ナギ】
「記者の情報網をナメないでよ。退職金代わりの宝石強奪……動機としては十分だよね?」
【アキ】
「なるほど。動機はある、と」
【サツキ】
「ち、違います! 確かに解雇の話はありましたが、だからって盗みなんて……! それに、金に困っているというなら、カオル様だって同じでしょう?」
【カオル】
「な、なんだと?」
【サツキ】
「ご実家の事業、失敗続きだそうですね。オーナーに借金の申し込みに来ていたこと、私が知らないとでも?」
【アキ】
「ほう。富豪の名家も、内情は火の車というわけですか」
【カオル】
「だ、黙れ! あれは一時的な資金繰りの相談だ! 泥棒扱いするな!」
【ナギ】
「あはは! 面白いなあ。みんな意外と真っ黒じゃないか。これ、記事にしたら宝石より高く売れるかも」
【カオル】
「貴様……! まさか、そのネタ欲しさに宝石を隠したんじゃないだろうな?」
【ナギ】
「は? まさか」
【カオル】
「あり得るぞ。『消えた宝石と没落貴族』なんて見出し、お前の大好物だろ!」
【ナギ】
「……おいおい、言葉を慎みなよ。僕がいつそんなこと」
【アキ】
「あり得ますね。ナギさん、あなたは最初から宝石そのものより、この『スキャンダル』を期待していたフシがある」
【ナギ】
「……アキさん。探偵ごっこもいいけどさ、あなただって怪しいんだよ?」
【アキ】
「私ですか?」
【ナギ】
「そう。さっきから冷静すぎる。まるで、こうなることが分かっていたみたいにね。……まさか、オーナーとグルになって保険金詐欺でも企んでるんじゃないの?」
【アキ】
「想像力が豊かですね。私はただ、真実が知りたいだけです」
【サツキ】
「真実……。ふん、綺麗事ですね。結局、みんな自分が一番可愛いんでしょう」
【カオル】
「なんだその目は! 使用人の分際で!」
【サツキ】
「もう敬う必要もありませんから。……ねえ、カオル様。本当はポケットに入ってるんじゃないんですか? 見せてみなさいよ!」
【カオル】
「触るな! 無礼者!」
【ナギ】
「おいおい、乱闘はやめてくれよ! あーあ、もう滅茶苦茶だ」
【アキ】
「全員、落ち着いてください! ……まずは互いの所持品を検査するしか――」
(ドォン!と大きな雷鳴。同時に停電のSE)
【カオル】
「うわっ!? なんだ、また停電か!?」
【サツキ】
「キャッ! 誰!? いま私の腕を掴んだのは!」
【ナギ】
「痛っ! おい、足踏むなよ!」
【アキ】
「動かないで! 下手に動くと危険です!」
(暗闇の中で衣擦れの音や荒い息遣い)
【カオル】
「……おい、誰か明かりをつけろ! 携帯はどこだ!」
【ナギ】
「待って、いまライトをつける……!」
(カチッという音と共に、明かりがつくSE)
【サツキ】
「……つきましたか?」
【アキ】
「……みなさん、無事ですか?」
【カオル】
「ああ、なんとかな。……ん? おい、あれを見ろ!」
【ナギ】
「え……宝石のケース?」
【サツキ】
「空っぽだったはずのケースに……何か入っています!」
【アキ】
「……手紙、ですね」
【カオル】
「手紙だと? 宝石はどうしたんだ! 誰が置いた!」
【ナギ】
「アキさん、読んでみてよ」
【アキ】
「……わかりました。読みますよ」
(紙を開く音)
【アキ】
「『親愛なる招待客の皆様へ。
この嵐の夜を楽しんでいただけましたか?
そこにあったはずの宝石”セイレーンの涙”は、最初から存在しません。
私が用意したのは、ただのガラス玉と、あなたたちの”疑心”だけです』」
【サツキ】
「……は? 最初から、ない?」
【アキ】
「続きがあります。
『金、名誉、ネタ、保身。
あなたたちが欲していたのは宝石ではなく、己の欲を満たすための道具でしょう。
この数分間で、あなたたちは互いを罵り、軽蔑し、裏切った。
その醜い本性こそが、私が今日見たかった”真の宝石”です。
……追伸。この会話はすべて録音させていただきました』」
【カオル】
「な……録音だと!?」
【ナギ】
「ははっ……やられた。記者の僕が、ネタにされる側になるなんてね」
【サツキ】
「じゃあ、解雇の話も……借金の話も……全部……」
【アキ】
「……オーナーは、最初から私たちを試していたようですね」
【カオル】
「ふざけるな! こんな悪趣味な冗談、許されると思っているのか!」
【アキ】
「……でも、カオルさん。許すも何も、私たちの秘密を握っているのはオーナーですよ?」
【サツキ】
「……この録音が公になれば、私たちは終わりですね」
【ナギ】
「……ねえ。ここには僕たち4人しかいない」
【カオル】
「……なんだ?」
【ナギ】
「オーナーは不在。そしてこの嵐。……この別荘にある録音データ、”雷のせいで”全部壊れちゃっても、不思議じゃないよね?」
【アキ】
「……なるほど。証拠隠滅ですか」
【サツキ】
「……賛成です。私の将来のためにも、そんなものは消えていただかないと」
【カオル】
「ふん……。今回ばかりは、お前たちと手を組むしかなさそうだな」
【アキ】
「やれやれ。……では、共犯関係の成立ですね。皆さん、探しましょうか。私たちの”平穏”を取り戻すために」
(雷鳴が遠くで響き、フェードアウト)
管理人のワンポイントアドバイス
この台本は、全員が「裏の顔」を持っているのがポイントです。
アキ(探偵)役: 最初は冷静な進行役ですが、実は誰よりも「自分が助かりたい」と思っている冷徹さを滲ませてください。ラストの「共犯関係の成立ですね」は、悪びれもせず淡々と言うと怖いです。
カオル(富豪)役: 典型的な「高圧的なキャラ」ですが、借金の話を突かれた時だけは、急に狼狽えて小物感を出してください。その落差が人間臭さを生みます。
サツキ(使用人)役: 前半は敬語で丁寧ですが、後半に「もう敬う必要もありませんから」と開き直るシーンが最大の見せ場です。ここで一気にドスの効いた声に変えると盛り上がります!
ナギ(記者)役: 常にヘラヘラとして場をかき乱すトリックスターです。シリアスな空気の中で、一人だけ楽しそうに振る舞うと、不気味さが際立ちます。
利用規約
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