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【2人用百合/長編・約10分】終電後のプラットホーム、春風と君の嘘。「……馬鹿。友達のままで終わらせる気?」【青春/切ない/ハッピーエンド】

こんにちは、コエバコ管理人の伊織です。
今回は卒業・進学シーズンの「エモさ」をたっぷり詰め込んだ2人用の百合長編台本をお届けします。
終電が終わった後の静かな駅のホームで上京する先輩と見送る後輩が織りなす、透明感のある切ないストーリーです。
沈黙や息遣いを大切に、二人の言葉にできない距離感をじっくり演じてみてくださいね。

目次

作品情報

  • 人数:2人(女性用)
  • 時間:約10分
  • ジャンル:恋愛・ラブコメ(百合・青春)
  • あらすじ:3月31日深夜。明日上京する先輩を見送るため、終電後の駅で始発を待つ後輩。想いを隠して「綺麗な後輩」を演じる彼女に、先輩が静かに問いかける。

登場人物

  • 【アオイ】:高校を卒業し、明日東京へ引っ越す先輩。大人っぽく余裕があるように見えるが、実は寂しがり屋。ミライの気持ちに気づいている。
  • 【ミライ】:アオイの1つ下の後輩。ずっとアオイに片想いをしている。関係を壊したくなくて、素直になれず強がっている。

本編

(環境音:遠くで微かに鳴る踏切の音、かすかな春の夜風)

(数秒の沈黙。缶コーヒーのプルタブを開ける音)

【アオイ】
「……んっ。ふぅ、冷た。やっぱりホットにすればよかったかな」

【ミライ】
「だから言ったじゃないですか。いくら春でも、夜中はまだ冷えるって」

【アオイ】
「そうだけどさぁ。ミライが冷たいの買うって言うから、つい合わせちゃったんだよ」

【ミライ】
「人のせいにしないでください。……はい、これ。私のマフラー、貸しますから」

【アオイ】
「え? いいよ、ミライが寒いでしょ」

【ミライ】
「私は平気です。明日から東京行く人が、風邪なんて引いたら笑えませんからね。……ほら、首、貸して」

(衣擦れの音。ミライがアオイにマフラーを巻く)

【アオイ】
「……ん、ありがと。あったかい。ミライの匂いがする」

【ミライ】
「……っ、変なこと言わないでください。セクハラですよ、先輩」

【アオイ】
「あはは、ごめんごめん。……でも、なんか不思議だね。こうして二人で、誰もいないホームのベンチに座ってるの」

【ミライ】
「……そうですね。いつもは人でごった返してるのに。今は、私たちしかいないみたい」

(微かな風の音。数秒の間)

【アオイ】
「……ねえ、ミライ。本当にごめんね。こんな夜中まで付き合わせちゃって」

【ミライ】
「気にしないでください。私が勝手に、最後まで見送りたいって言っただけですから。……始発まで、あと3時間くらいですかね」

【アオイ】
「うん。……長いようで、あっという間かも」

【ミライ】
「……」

【アオイ】
「そういえばさ、思い出すなぁ。去年の文化祭。準備が長引いちゃって、二人で最終電車ギリギリまで走ったよね」

【ミライ】
「あー……ありましたね、そんなこと。先輩が機材の片付け忘れるから」

【アオイ】
「えー! あれはミライが『私がやります!』って言ったんじゃん!」

【ミライ】
「言いましたけど、まさかあんなに量があるなんて思わなかったんですよ。おかげで駅の階段で転びそうになるし」

【アオイ】
「ふふっ、ミライ、あの時すっごい必死な顔してた。でもさ、あの後、電車の中で二人して爆睡しちゃって……乗り過ごしたんだよね」

【ミライ】
「……結局、親に車で迎えに来てもらって。めちゃくちゃ怒られました」

【アオイ】
「あはは! そうだそうだ。懐かしいなぁ……。部活のあとも、よくこの駅前のクレープ屋行ったよね。あそこのチョコバナナ、また食べたいな」

【ミライ】
「……東京行ったら、もっと美味しいクレープ屋なんて山ほどあるじゃないですか」

【アオイ】
「そうかなぁ。でも、ミライと食べるから美味しかったのかもよ?」

【ミライ】
「……っ。冗談ばっかり言って」

(少しの沈黙。ミライの小さなため息)

【ミライ】
「……東京、行っちゃうんですね」

【アオイ】
「うん。明日の朝一番の特急で」

【ミライ】
「……準備、ちゃんと終わったんですか?」

【アオイ】
「一応ね。でも、なんか忘れ物してそう」

【ミライ】
「先輩、ドジですからね。向こうでも、周りに迷惑かけないようにしてくださいよ」

【アオイ】
「もう、ミライは私のお母さんか! ……大丈夫だよ。一人でちゃんとやるから」

【ミライ】
「……そうですよね。先輩は、一人でも大丈夫ですよね」

【アオイ】
「え?」

【ミライ】
「……なんでもないです。……東京に行っても、元気でいてくださいね。たまには、LINEくらい返してくださいよ。既読スルーとかしたら、許しませんから」

【アオイ】
「……うん。ミライもね。部活、新入生入ってくると大変だろうけど、あんまり抱え込みすぎないようにね」

【ミライ】
「わかってますよ。私、先輩よりしっかりしてますから。……今まで、ありがとうございました。先輩と過ごせて、本当に……楽しかったです」

(ミライ、少し声が震えるのを必死に堪える。深呼吸の音)

【ミライ】
「……立派な、大学生になってくださいね」

【アオイ】
「…………」

(長い沈黙。冷たい風が吹き抜ける)

【アオイ】
「……ミライ」

【ミライ】
「はい?」

【アオイ】
「……本当に、それでいいの?」

【ミライ】
「……え?」

【アオイ】
「『楽しかったです』『元気でいてくださいね』。……本当に、それがミライの言いたいこと?」

【ミライ】
「……なに、言ってるんですか。当たり前じゃないですか」

【アオイ】
「嘘だ」

【ミライ】
「……っ!」

【アオイ】
「ミライは嘘つくとき、いつも目を逸らす。……こっち見てよ」

【ミライ】
「見てますよ……っ。先輩こそ、疲れて変なこと言わないでください」

【アオイ】
「……私ね、ずっと待ってたんだよ」

【ミライ】
「何を……ですか」

【アオイ】
「ミライが、本当の気持ちを言ってくれるのを。……馬鹿。ただの先輩と後輩のままで、終わらせる気?」

【ミライ】
「……ッ!!」

(ミライ、ベンチから立ち上がる音)

【ミライ】
「……やめてください!」

【アオイ】
「ミライ……」

【ミライ】
「なんで……なんでそういうこと言うんですか!? 今までずっと、気づかないふりしてたのに! 明日にはいなくなるくせに……なんで今更、そんな風に踏み込んでくるんですか!!」

【アオイ】
「……ごめん。でも、このままじゃ嫌だったから」

【ミライ】
「嫌って……私だって嫌ですよ!! ずっと、ずっと我慢してたのに……っ」

(ミライ、堪えきれず涙声になる)

【ミライ】
「迷惑かけたくなかったから……っ。綺麗に見送って、ただの可愛い後輩で終わろうって、必死に笑ってたのに……! 全部、全部台無しじゃないですか……っ!」

【アオイ】
「……台無しでいいよ。綺麗な後輩なんて、いらない」

【ミライ】
「……っ、勝手なこと言わないでよ……!」

【アオイ】
「……」

【ミライ】
「東京なんて……行かないでよ。私を置いて、一人で遠くに行かないでよ……っ」

(ミライ、泣きじゃくる)

【ミライ】
「好きだよ……っ。ずっと、ずっと好きだった……! 先輩なんて嫌だ、ただの後輩なんて嫌だ……っ! アオイ……アオイのバカ……ッ!!」

(数秒の間。アオイが立ち上がり、ミライを優しく抱きしめる衣擦れの音)

【アオイ】
「……うん。ごめんね」

【ミライ】
「……っ、離して……っ」

【アオイ】
「離さない。……ミライ」

【ミライ】
「……なに……っ」

【アオイ】
「最初から、そう言えばよかったのに」

【ミライ】
「……っ、だって……」

【アオイ】
「私も、ずっと好きだったよ。ミライのことが」

【ミライ】
「……え?」

【アオイ】
「ごめんね、意地悪して。どうしても、ミライの口から聞きたくて……私から言わせないでよ、バカ」

【ミライ】
「……嘘……アオイも……?」

【アオイ】
「うん。だから……遠距離恋愛になっちゃうけど。それでも、私と付き合ってくれる?」

【ミライ】
「……っ、当たり前じゃん……っ!! ずっと、そうしたかったのに……っ」

(ミライ、アオイの背中に腕を回し、強く抱きしめ返す)

【アオイ】
「ふふっ……ありがと。あーあ、泣きすぎて顔ぐちゃぐちゃじゃん。マフラー、濡れてるし」

【ミライ】
「……アオイのせいでしょ」

【アオイ】
「そうだね。私のせいだ。……ねえ、ミライ」

【ミライ】
「……ん?」

(微かに、始発列車の接近を知らせるアナウンスや走行音が遠くから聞こえ始める)

【アオイ】
「……目、つむって」

【ミライ】
「……っ」

(短いリップ音)

【アオイ】
「……おはよう、ミライ」

【ミライ】
「……おはよう、アオイ」

(電車の音が少しずつ近づいてくる。空が白み始める雰囲気)

【アオイ】
「……そろそろ、だね」

【ミライ】
「……うん。気をつけてね」

【アオイ】
「うん。毎日LINEするし、電話もするから。夏休みには絶対帰ってくる」

【ミライ】
「……約束だよ。破ったら、東京まで殴りに行くから」

【アオイ】
「ふふっ、怖いなぁ。……それじゃあ、行ってきます」

【ミライ】
「……うん。いってらっしゃい」

(電車の到着音がホームに響き渡る)


管理人のワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます!
この台本は「時間経過」と「感情の決壊」がとても重要です。じっくりと演じて、リスナーさんを惹き込みましょう!

アオイ役の方へ
前半はわざと少し余裕のある大人びた態度でミライを包み込むように演じてみてください。
でも、内心は彼女と同じくらい寂しいんです。
「……本当に、それでいいの?」のセリフからはそれまでの余裕を捨てて、一人の女の子として真剣に踏み込むギャップを意識すると、すごくドキッとさせられますよ!

ミライ役の方へ
前半は「いい後輩」を演じるための少し無理をした明るさや丁寧な敬語を意識してください。
クライマックスで「やめてください!」と叫ぶところからが勝負です。
そこからタメ口に崩れていく過程で、今まで我慢していた感情を一気に爆発させてください。
泣きのお芝居、思いっきりやっちゃいましょう!

★ここがポイント!
この台本の一番のキモは「沈黙(間)」「呼吸」です!
すぐにセリフを被せるのではなく、風の音を感じるような数秒の沈黙や言葉を飲み込む息遣い(吸う息、吐く息)を意識的に入れてみてください。
特に後半、アオイが核心を突いてからの「間」は、長めにとることで劇的な緊張感が生まれます。
二人の空気感を音のない時間で表現してみてくださいね!


利用規約

  • この台本は、YouTube、配信アプリ(Spoon/IRIAM等)、音声投稿サイト等で無料でご自由にお使いいただけます。
  • 使用時のご連絡は不要ですが、概要欄などに「サイト名:コエバコ」と記載していただけると嬉しいです。
  • 商用利用、改変もOKですが、自作発言はお控えください。

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もちろん無料で楽しんでいただけるのが一番ですので、無理のない範囲で温かく見守っていただけたら嬉しいです。

この記事を書いた人

「コエバコ」管理人の伊織(いおり)です。 声劇が大好きで、みんなが気軽に遊べる台本置き場を作りました。 読みやすくて、演じていて楽しくなるような台本を目指して書いています。 練習用にも、配信の企画にも、自由に使ってくださいね。あなたの声で物語が完成するのを楽しみにしています。

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