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【2人用/長編・約10分】妖狐の契り。千年の時を超えて、今宵あなたに還る「我が命、ようやく貴方様にお返しできます」【和風/妖怪と人間/感動】

こんにちは、コエバコ管理人の伊織です。
今回はケモミミアバターを持つVライバーさんや、しっとりとした和風ファンタジーが好きな方に激推しの台本をご用意しました!
「人外と人間」という寿命の差があるからこそ生まれる、切なくてエモい主従関係。
秋の夜長に、しっぽりと感情を込めて演じてみてくださいね。

目次

作品情報

  • 人数:2人(男女不問)
  • 時間:約10分
  • ジャンル:和風ファンタジー・感動
  • あらすじ:千年の時を経て主の転生を待っていた美しい妖狐と、余命わずかな人間の出会い。互いを想うがゆえのすれ違いと、永遠の絆を描く切なくも温かい物語。

登場人物

  • 【ツムギ】:霊感を持つ薄幸の青年(または少女)。生まれつき体が弱く、自らの短命を受け入れている。穏やかで芯が強い。
  • 【ハクヤ】:美しい銀髪と狐耳を持つ妖狐。ツムギを「我が主」と呼び、過保護なまでに世話を焼く。艷やかで品のある和風言葉を話す。

本編

(SE:しとしとと降る秋の雨の音)
(SE:コトリ、と湯呑みを置く音)

【ハクヤ】
「ツムギ様。温かいお茶をお持ちいたしました。夜風が冷えてまいりましたゆえ、お身体に障りませぬよう……さぁ、こちらへ」

【ツムギ】
「ありがとう、ハクヤ。……でも、そんなに甲斐甲斐しくされなくても大丈夫だよ。僕(私)、少し横になってただけだから」

【ハクヤ】
「なりませぬ。貴方様はご自身のお身体の脆さを、いささか軽んじておいでです。少しでもお顔の色が優れぬ時は、このハクヤが何に代えてもお守りせねば……。さ、お背中に羽織を」

【ツムギ】
「(苦笑)ハクヤは本当に過保護だなぁ。君が急に僕(私)の前に現れてから、もう一ヶ月か。最初は本物の妖狐が家にいるなんて驚いたけど、すっかり慣れちゃったよ」

【ハクヤ】
「ふふ……。貴方様がお優しいからでございます。見ず知らずの妖(あやかし)を恐れもせず、こうして側に置くことをお許しくださった。その慈悲深さ……昔と何も変わっておられぬ」

【ツムギ】
「昔?」

【ハクヤ】
「……いえ、こちらのことでございます。さぁ、お茶が冷めぬうちにお召し上がりを。それから、肩もお揉みいたしましょうか? ああ、それとも添い寝をしてお背中を擦りましょうか?」

【ツムギ】
「だ、大丈夫だってば! 本当に、ただの貧血だから……うっ、げほっ、げほっ!」

(SE:湯呑みが畳に落ちて転がる音)

【ハクヤ】
「ツムギ様!? ああ、またお咳が……! いけません、あまり無理をなさっては。すぐにお薬を……!」

【ツムギ】
「げほっ、はぁ……ごめん、大丈夫。……薬は、いいよ。飲んだって、もう……治らないのはわかってるから」

【ハクヤ】
「何を仰います! そんな弱気なお言葉、聞きたくございません。……貴方様は、生きねばならないのです。この先もずっと、長く、健やかに」

【ツムギ】
「ハクヤ……。僕(私)の病気は生まれつきなんだ。お医者さんにも、長くてあと半年だって言われてる。だから、そんなに悲しい顔をしないで」

【ハクヤ】
「(低く震える声で)……お断りいたします」

【ツムギ】
「え……?」

【ハクヤ】
「お断りいたします、ツムギ様。貴方様を失うことなど、決して……決してあってはならぬのです。ですから、お受け取りください。私の、この命を」

(SE:ハクヤの体から淡い光が溢れるような、不思議な衣擦れの音)

【ツムギ】
「命を……? 何を言ってるの、ハクヤ」

【ハクヤ】
「妖狐である私の妖力、すなわち『命の源』を貴方様に分け与えれば、その病魔などたちどころに消え去りましょう。そうすれば、貴方様は生き延びられる。どうか、私の命を喰らってくださいませ」

【ツムギ】
「そんなこと、できるわけないだろ! 君の命を奪ってまで生きたいなんて思わない。お願いだから、そんな悲しいこと言わないで!」

【ハクヤ】
「……悲しい? 悲しいのはこちらのほうでございます! せっかく……せっかく見つけ出したというのに。千年の時を経て、ようやく貴方様にお会いできたというのに……また私の目の前で、命を散らそうというのですか!」

【ツムギ】
「……千年……?」

【ハクヤ】
「(感情が溢れ出す)……ええ、そうです。貴方様は覚えてはおいででしょうが……千年前、私は人間に狩られ、瀕死の重傷を負っておりました。その時、私を救い、傷を癒やしてくださったのが、前世の貴方様だったのです」

(間)
(SE:雨の音が少し強くなる)

【ハクヤ】
「心優しき陰陽師であった貴方様は、妖である私を『家族』と呼び、愛してくださいました。……しかし、貴方様は私を庇って……他の術者の刃に倒れられた。私の腕の中で、『またいつか会おう』と笑って……」

【ツムギ】
「僕(私)の前世が……君を……」

【ハクヤ】
「それからの千年は、ただ泥をすするような日々でございました。いつか必ず転生される貴方様を見つけ出し、今度こそ私がお守りする。……その執念だけで、私は生き長らえてきたのです。我が命、ようやく貴方様にお返しできる時が来たのです!」

【ツムギ】
「ハクヤ……」

【ハクヤ】
「(すがりつくように)どうか、どうか私の命を受け取ってください……! もう二度と、貴方様を失う痛みに耐えることなどできませぬ。貴方様がいないこの世に、私が生きる意味など無いのです……!」

(間)

【ツムギ】
「……馬鹿だなあ、ハクヤは。千年も……僕(私)なんかのために、たったひとりで待ち続けてたなんて」

(SE:服が擦れる音。ツムギがハクヤを優しく抱きしめる)

【ハクヤ】
「あっ……ツムギ、様……?」

【ツムギ】
「千年も縛り付けて、本当にごめん。……でもね、ハクヤ。前世の僕(私)が君を助けたのは、君の命を奪って自分が生き延びるためじゃないと思うんだ。ただ、君に生きてほしかったから……笑っていてほしかったからじゃないかな」

【ハクヤ】
「ですが……それでは、貴方様は……」

【ツムギ】
「命は、いつか終わるからこそ尊いんだよ。僕(私)は長生きはできないかもしれない。でも、この限られた時間の中で、君が会いに来てくれたこと……今、こうして一緒にいられることが、すごく幸せなんだ」

【ハクヤ】
「幸せ……」

【ツムギ】
「僕(私)は君の命をもらわない。その代わり……僕(私)の命が尽きるその時まで、ずっと隣で笑っていてくれないかな。それが、僕(私)の最後のわがまま」

(間)
(SE:雨の音が少しずつ静かになり、遠くで秋の虫が鳴き始める)

【ハクヤ】
「……(静かに泣き崩れる)……ああ……ああぁ……。貴方様は、本当に……昔から、残酷なほどにお優しい……」

【ツムギ】
「泣かないで。綺麗な顔が台無しだよ、ハクヤ」

【ハクヤ】
「……ずるいお方です。そのように微笑まれては、私はもう、何も言えませぬ」

【ツムギ】
「ふふ、じゃあ約束だよ。これからも、僕(私)のそばにいてくれる?」

【ハクヤ】
「(涙を拭い、覚悟を決めたような穏やかな声で)……御意。千年の執着は、今宵この雨に流しましょう。これからは、ただの一人の妖として……」

【ハクヤ】
「貴方様の命が美しく燃え尽きるその瞬間まで、このハクヤ……全身全霊をもってお供いたします。我が愛しき、ただ一人の主様」


管理人のワンポイントアドバイス

お疲れ様でした!いやぁ、千年の重み、エモいですね……!
この台本を演じる際のコツをアドバイスします。

ツムギ役の方へ
体の弱さからくる「儚さ」と、自分の運命を受け入れている「精神的な強さ」のバランスが鍵です。
前半は少し呆れつつもハクヤを受け入れている柔らかい声で。
後半、命のやり取りになるシーンでは絶対に譲らないという芯の強さを声に乗せてみてください。

ハクヤ役の方へ
和風言葉の響きを大切に、艶やかで品のあるトーンを意識してください。
前半はひたすらに過保護で甘やかしたい愛情を。
中盤の告白シーンでは千年の孤独と「もう絶対に失いたくない」という必死で痛切な感情を爆発させましょう。

★ここがポイント!
一番の見せ場は、ツムギがハクヤを抱きしめるシーンの「間(ま)」です!
ハクヤが感情をぶちまけた後、ツムギがそれを受け止めて優しく言葉を返すまでの空白の数秒間。
ここでたっぷりと息遣いや衣擦れの音を想像させる「間」を取ることで、二人の絆の深さがリスナーさんにグッと伝わりますよ!


利用規約

  • この台本は、YouTube、配信アプリ(Spoon/IRIAM等)、音声投稿サイト等で無料でご自由にお使いいただけます。
  • 使用時のご連絡は不要ですが、概要欄などに「サイト名:コエバコ」と記載していただけると嬉しいです。
  • 商用利用、改変もOKですが、自作発言はお控えください。
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ご不明な点があれば、いつでもお声がけくださいね。素敵な演者さんたちに届く記事になることを応援しています!

他にもファンタジー・時代劇系の台本をお探しの方はぜひこちらもチェックしてみてください!

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管理人からのお知らせ

いつもコエバコの台本を使っていただき、本当にありがとうございます!この度、リクエストの受付やコエバコの応援窓口として「OFUSE」を開設してみました。
もし「この台本良かったな」と思っていただけましたら、執筆の合間のコーヒー代をごちそうしていただけると、次の台本を書くものすごく大きな励みになります!
もちろん無料で楽しんでいただけるのが一番ですので、無理のない範囲で温かく見守っていただけたら嬉しいです。

この記事を書いた人

「コエバコ」管理人の伊織(いおり)です。 声劇が大好きで、みんなが気軽に遊べる台本置き場を作りました。 読みやすくて、演じていて楽しくなるような台本を目指して書いています。 練習用にも、配信の企画にも、自由に使ってくださいね。あなたの声で物語が完成するのを楽しみにしています。

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