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【2人用/フリー声劇台本】長編・和風ファンタジー「妖狐の契り」〜千年の時を超えた感動の物語〜

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こんにちは、コエバコ管理人の伊織です。

今回はケモミミアバターを持つVライバーさんや、しっとりとした和風ファンタジーが好きな方に向けた長編台本をご用意しました。

本作の魅力は「人外と人間」という、寿命の差があるからこそ生まれる切ない主従関係です。
お互いを大切に想うからこそのすれ違いや、千年の時を超えた一途な想いを、お二人の声で丁寧に紡いでいただけたら嬉しいです。

記事の後半には、よりリスナーさんの心に響かせるための「ワンポイントアドバイス」も掲載しています。
秋の夜長に、しっぽりと感情を込めて演じてみてくださいね。

目次

【和風ファンタジー】2人用声劇台本「妖狐の契り」の作品情報

  • 人数:2人(男女不問)
  • 時間:約10分
  • ジャンル:和風ファンタジー・感動
  • あらすじ・世界観・心情設定:千年の時を経て主の転生を待ち続けていた美しい妖狐・ハクヤと、病により自らの短命を受け入れている青年(少女)・ツムギの出会いから始まる物語です。舞台は、妖(あやかし)の存在が静かに息づく現代の日本。秋の長雨が降り続く古民家を背景に、二人の静かな時間が流れます。ツムギは「自分は長くは生きられない」と諦観を抱えつつも、突然現れたハクヤの優しさに救いを感じています。一方でハクヤは、前世での恩義と深い愛情から「今度こそ主をお守りする」という強い決意を秘めており、自身の命(妖力)を削ってでもツムギを救いたいと願っています。互いを想うがゆえにすれ違う心と、それを乗り越えて結ばれる絆を描く、切なくも温かい和風ファンタジーです。

「妖狐の契り」の登場人物・キャラクター設定

  • 【ツムギ】:霊感を持つ青年(または少女)。生まれつき体が弱く、「自分は長くは生きられないかもしれない」と自身の運命を静かに受け入れている。基本的には穏やかで心優しい性格だが、いざという時には決して譲らない芯の強さを持つ。突然家に棲みついたハクヤの過保護ぶりに少し呆れつつも、その献身的な優しさに救われている。
  • 【ハクヤ】:美しい銀髪と狐耳を持つ、千年の時を生きる妖狐。前世で自分を救ってくれたツムギを「我が主」と慕い、再び巡り会うためだけに途方もない時間を待ち続けていた。ツムギに対しては非常に過保護で、何よりも優先して世話を焼きたがる。艷やかで品のある和風言葉を話すが、ツムギを失うかもしれない恐怖を前にすると、激しい感情を隠しきれなくなる。

【フリー声劇台本】本編「妖狐の契り」(上演時間:約10分)

(SE:しとしとと降る秋の雨の音)
(SE:コトリ、と湯呑みを置く音)

【ハクヤ】
「ツムギ様。温かいお茶をお持ちいたしました。夜風が冷えてまいりましたゆえ、お身体に障りませぬよう……さぁ、こちらへ」

【ツムギ】
「ありがとう、ハクヤ。……でも、そんなに甲斐甲斐しくされなくても大丈夫だよ。僕(私)、少し横になってただけだから」

【ハクヤ】
「なりませぬ。貴方様はご自身のお身体の脆さを、いささか軽んじておいでです。少しでもお顔の色が優れぬ時は、このハクヤが何に代えてもお守りせねば……。さ、お背中に羽織を」

【ツムギ】
「(苦笑)ハクヤは本当に過保護だなぁ。君が急に僕(私)の前に現れてから、もう一ヶ月か。最初は本物の妖狐が家にいるなんて驚いたけど、すっかり慣れちゃったよ」

【ハクヤ】
「ふふ……。貴方様がお優しいからでございます。見ず知らずの妖(あやかし)を恐れもせず、こうして側に置くことをお許しくださった。その慈悲深さ……昔と何も変わっておられぬ」

【ツムギ】
「昔?」

【ハクヤ】
「……いえ、こちらのことでございます。さぁ、お茶が冷めぬうちにお召し上がりを。それから、肩もお揉みいたしましょうか? ああ、それとも添い寝をしてお背中を擦りましょうか?」

【ツムギ】
「だ、大丈夫だってば! 本当に、ただの貧血だから……うっ、げほっ、げほっ!」

(SE:湯呑みが畳に落ちて転がる音)

【ハクヤ】
「ツムギ様!? ああ、またお咳が……! いけません、あまり無理をなさっては。すぐにお薬を……!」

【ツムギ】
「げほっ、はぁ……ごめん、大丈夫。……薬は、いいよ。飲んだって、もう……良い方向へ向かうのが難しいのはわかってるから」

【ハクヤ】
「何を仰います! そんな弱気なお言葉、聞きたくございません。……貴方様は、生きねばならないのです。この先もずっと、長く、健やかに」

【ツムギ】
「ハクヤ……。僕(私)の病気は生まれつきなんだ。お医者さんにも、長くてあと半年だって言われてる。だから、そんなに悲しい顔をしないで」

【ハクヤ】
「(低く震える声で)……お断りいたします」

【ツムギ】
「え……?」

【ハクヤ】
「お断りいたします、ツムギ様。貴方様を失うことなど、決して……決してあってはならぬのです。ですから、お受け取りください。私の、この命を」

(SE:ハクヤの体から淡い光が溢れるような、不思議な衣擦れの音)

【ツムギ】
「命を……? 何を言ってるの、ハクヤ」

【ハクヤ】
「妖狐である私の妖力、すなわち『命の源』を貴方様に分け与えれば、お身体が良い方向へ向かうきっかけになりましょう。そうすれば、貴方様が長く生きられる可能性が高まるのです。どうか、私の命を喰らってくださいませ」

【ツムギ】
「そんなこと、できるわけないだろ! 君の命を奪ってまで生きたいなんて思わない。お願いだから、そんな悲しいこと言わないで!」

【ハクヤ】
「……悲しい? 悲しいのはこちらのほうでございます! せっかく……せっかく見つけ出したというのに。千年の時を経て、ようやく貴方様にお会いできたというのに……また私の目の前で、命を散らそうというのですか!」

【ツムギ】
「……千年……?」

【ハクヤ】
「(感情が溢れ出す)……ええ、そうです。貴方様は覚えてはおいででしょうが……千年前、私は人間に狩られ、瀕死の重傷を負っておりました。その時、私を救い、傷を癒やしてくださったのが、前世の貴方様だったのです」

(SE:雨の音が少し強くなる)

【ハクヤ】
「心優しき陰陽師であった貴方様は、妖である私を『家族』と呼び、愛してくださいました。……しかし、貴方様は私を庇って……他の術者の刃に倒れられた。私の腕の中で、『またいつか会おう』と笑って……」

【ツムギ】
「僕(私)の前世が……君を……」

【ハクヤ】
「それからの千年は、ただ泥をすするような日々でございました。いつか転生される貴方様を見つけ出し、今度こそ私がお守りする。……その願いだけで、私は生き長らえてきたのです。我が命、ようやく貴方様にお返しできる時が来たのです!」

【ツムギ】
「ハクヤ……」

【ハクヤ】
「(すがりつくように)どうか、どうか私の命を受け取ってください……! もう二度と、貴方様を失う痛みに耐えることなどできませぬ。貴方様がいないこの世に、私が生きる意味など無いのです……!」

(間)

【ツムギ】
「……馬鹿だなあ、ハクヤは。千年も……僕(私)なんかのために、たったひとりで待ち続けてたなんて」

(SE:服が擦れる音。ツムギがハクヤを優しく抱きしめる)

【ハクヤ】
「あっ……ツムギ、様……?」

【ツムギ】
「千年も縛り付けて、本当にごめん。……でもね、ハクヤ。前世の僕(私)が君を助けたのは、君の命を奪って自分が生き延びるためじゃないと思うんだ。ただ、君に生きてほしかったから……笑っていてほしかったからじゃないかな」

【ハクヤ】
「ですが……それでは、貴方様は……」

【ツムギ】
「命は、いつか終わるからこそ尊いんだよ。僕(私)は長生きはできないかもしれない。でも、この限られた時間の中で、君が会いに来てくれたこと……今、こうして一緒にいられることが、すごく幸せなんだ」

【ハクヤ】
「幸せ……」

【ツムギ】
「僕(私)は君の命をもらわない。その代わり……僕(私)の命が尽きるその時まで、ずっと隣で笑っていてくれないかな。それが、僕(私)の最後のわがまま」

(間)
(SE:雨の音が少しずつ静かになり、遠くで秋の虫が鳴き始める)

【ハクヤ】
「……(静かに泣き崩れる)……ああ……ああぁ……。貴方様は、本当に……昔から、残酷なほどにお優しい……」

【ツムギ】
「泣かないで。綺麗な顔が台無しだよ、ハクヤ」

【ハクヤ】
「……ずるいお方です。そのように微笑まれては、私はもう、何も言えませぬ」

【ツムギ】
「ふふ、じゃあ約束だよ。これからも、僕(私)のそばにいてくれる?」

【ハクヤ】
「(涙を拭い、覚悟を決めたような穏やかな声で)……御意。千年の執着は、今宵この雨に流しましょう。これからは、ただの一人の妖として……」

【ハクヤ】
「貴方様の命が美しく燃え尽きるその瞬間まで、このハクヤ……全身全霊をもってお供いたします。我が愛しき、ただ一人の主様」


より感動的な演技に近づくためのワンポイントアドバイス

お疲れ様でした!いやぁ、千年の重み、エモいですね……!
この台本を演じる際のコツをアドバイスします。

ツムギ役の方へ
ツムギ役の方へ 体の弱さからくる「儚さ」と、自分の運命を受け入れている「精神的な強さ」のバランスが鍵です。 前半は少し呆れつつもハクヤを受け入れている柔らかい声で。 後半、命のやり取りになるシーンでは決して譲らないという芯の強さを声に乗せてみてください。

ハクヤ役の方へ
和風言葉の響きを大切に、艶やかで品のあるトーンを意識してください。 前半はひたすらに過保護で甘やかしたい愛情を。 中盤の告白シーンでは千年の孤独と「もう二度と失いたくない」という必死で痛切な感情を爆発させましょう。

★ここがポイント!
一番の見せ場は、ツムギがハクヤを抱きしめるシーンの「間(ま)」です!
ハクヤが感情をぶちまけた後、ツムギがそれを受け止めて優しく言葉を返すまでの空白の数秒間。
ここでたっぷりと息遣いや衣擦れの音を想像させる「間」を取ることで、二人の絆の深さがリスナーさんにグッと伝わりますよ!


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この記事を書いた人

「コエバコ」管理人の伊織(いおり)です。 声劇が大好きで、みんなが気軽に遊べる台本置き場を作りました。 読みやすくて、演じていて楽しくなるような台本を目指して書いています。 練習用にも、配信の企画にも、自由に使ってくださいね。あなたの声で物語が完成するのを楽しみにしています。

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