こんにちは、コエバコ管理人の伊織です。
今回は、「メリーバッドエンド(メリバ)」をテーマにした、狂気と共依存の物語です。
監禁する側と、される側。被害者と加害者。
その境界線が曖昧になり、二人が選んだ「歪んだ幸福」とは?
ドロドロとした重い愛を演じたいペアにおすすめの台本です。
作品情報
- 人数:2人(性別不問)
- 時間:約3~4分
- ジャンル:メリーバッドエンド / サスペンス
- あらすじ:監禁された部屋で目覚めたA。Bは「外の世界は危険だ」と語る。Bの嘘に気づいた時、Aが選んだ選択とは。歪んだ愛の物語。
登場人物
- 【A】:監禁されている側。最初は恐怖するが、次第にBの異常な愛を受け入れ、依存していく。
- 【B】:監禁している側。Aを何よりも愛しており、自分だけのものにするために「外の世界」を悪者にしている。穏やかな狂気。
本編
【A】
「……ん……ここ、どこ……?」
(ジャラ、と鎖が擦れる音)
【A】
「え……な、なにこれ。足に、鎖……?」
【B】
「あ、目が覚めた? おはよう。よく眠ってたね」
【A】
「【B】……? どうしてあんたがここに……いや、それよりこれ何だよ! なんで俺(私)が鎖に繋がれてるんだよ!」
【B】
「暴れないで。怪我するよ? ……あぁ、可哀想に。まだ混乱してるんだね」
【A】
「混乱もするだろ! 外してくれよ! ここから出してくれ!」
【B】
「……だめだよ」
【A】
「は……?」
【B】
(優しく諭すように)
「外に出たら、死んじゃうよ? ……もう、外の世界は終わったんだ」
【A】
「終わったって……何を言って……」
【B】
「変な病気が流行ったのか、戦争が起きたのか……とにかく、外の空気はもう毒だらけなんだ。生き残ったのは、僕(私)たちだけかもしれない」
【A】
「嘘だ……そんなの、信じられるわけないだろ!」
【B】
「嘘じゃないよ。君を守るために、必死でここを作ったんだ。ここなら安全だよ。水も食料もある。僕(私)がずっと、君の世話をしてあげるから」
【A】
「嫌だ……帰せよ、家に帰してくれよ!」
【B】
「ここが家だよ。……ねえ、君は何も知らなくていいんだよ。怖いことは全部、僕(私)が引き受けるから。君はただ、ここで僕(私)に愛されていればいいの」
(間)
【A】
(モノローグ)
【B】の目は本気だった。狂ってる。そう思った。
窓ひとつない、コンクリートの部屋。
時間の感覚もわからないまま、ただ【B】に餌を与えられるだけの日々が過ぎていく。
(小鳥のさえずりが微かに聞こえる)
【A】
「……ん?」
【B】
「どうしたの? スープ、冷めちゃうよ」
【A】
「今、鳥の声が……」
【B】
「……気のせいだよ」
【A】
「いや、聞こえた。確かに……」
(再び、チュン、とはっきり聞こえる)
【A】
(モノローグ)
聞こえた。鳥だ。
……外気が毒だらけなら、鳥なんて生きているはずがない。
やっぱり、【B】は嘘をついている。世界なんて終わってない。
今すぐこれを指摘して、叫んで、逃げ出せば……。
【B】
「……聞こえないよ。何も」
【A】
「……【B】」
【B】
「外には何もない。地獄しかないんだ。……ねえ、信じて? ここから出たら、君は不幸になるだけだ。僕(私)がいないと、君は生きていけないんだよ」
【A】
(モノローグ)
必死な顔。
その表情を見て、腑に落ちてしまった。
ああ、こいつは……俺(私)がいないとダメなんだ。
こんな子供じみた嘘をついてまで、俺(私)を繋ぎ止めたいんだ。
【B】
「ねえ、お願い。外に行きたいなんて言わないで……ひとりぼっちは、怖いよ……」
【A】
(モノローグ)
鎖に繋がれているのは、どっちだ?
この手を振り払って外に出たら、【B】は壊れてしまうだろう。
……それなら。
(衣擦れの音。AがBに抱きつく)
【A】
「……ごめん。そうだね、気のせいだったみたいだ」
【B】
「え……?」
【A】
「【B】の言う通りだよ。外は怖い場所なんだろ? そんなところ、行きたくないよ」
【B】
「……! そう、だよね! わかってくれたんだね!」
【A】
「ああ。俺(私)には【B】が必要だ。……ずっと、そばにいてくれる?」
【B】
(感極まった声で)
「うん……! もちろん! ずっと、死ぬまで一緒だよ!」
【A】
「ふふ……ありがとう」
【A】
(モノローグ)
外の世界なんて、どうでもいい。
お前をこんなに狂わせられるのは、世界中で俺(私)だけなんだから。
【B】
「愛してるよ」
【A】
「ああ……俺(私)もだよ」
管理人のワンポイントアドバイス
この台本は、後半のAの心理変化を丁寧に演じることがポイントです。
A役の方へ: 前半はただの被害者として怯えてください。鳥の声を聞いた後 のモノローグで、「Bの弱さ」に気づいた瞬間、声色を少し低く、落ち着かせてください。 最後の「ありがとう」 は、感謝ではなく「支配の完了」を意味するような、底知れない優しさで演じると鳥肌モノです。
B役の方へ: 最初から最後まで、子供のような純粋さで演じてください。 嘘がバレそうになった時 の「聞こえないよ」 は、自分にも言い聞かせるように必死に。 Aに受け入れられた時 は、世界で一番幸せそうな声を出してください。それが逆に、聴く人の恐怖を煽ります。
利用規約
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